4年間髪を伸ばし続けた宮崎県木城町の中学生が8月18日、「断髪式」を行った。そこには、母と決意したある思いがあった。

背中まで伸びた長い髪。みどりの杜木城学園の男子中学生、永友詩元(じげん)さん14歳。

Q.何cmぐらい?
永友詩元さん:
68cm。
「ヘアドネーションをやりたい」そう思ったきっかけは、体に腫瘍ができる「びまん性脂肪腫症」という病気を生まれつき患っている母・綾香さんとの会話だった。
母・永友綾香さん:
私の小さい頃の闘病生活の話を昔話風に小さいころから子供に話して聞かせていた。
永友詩元さん:
小学生の時にたまたまテレビでヘアドネーションを宣伝する番組があって、それを見て男でもヘアドネーションができるんだと思って、やってみようかなって。
綾香さんから抗がん剤治療の影響で髪を失った子供の話をよく聞いていた詩元さんは、ヘアドネーションを決意したという。
貫いた思い
中学3年間、柔道部に所属していた詩元さん。短髪にするチームメイトも多い中、髪を伸ばし続けることを貫いた。

永友詩元さん:
伸ばし始めて中途半端に伸びているときは、友達に冷やかされるなど色々あった。

母・永友綾香さん:
髪を伸ばすのは難しいので、やれるならやってみなさいと。すぐにあきらめると思った。優しさと、誰かのために、と思う4年間の根性だけは、全世界に胸を張って自慢してあげたい。
断髪の時

そしてついに断髪の時がやってきた。

母・永友綾香さん:
切るよ。ありがとうね。
親子の絆。お母さんの思いを込めて、4年間伸ばし続けた髪の毛にはさみが入った。
綾香さんの目には涙が…

続いて柔道の指導をする先生。「豪快に」ハサミを入れた。詩元さん、思わず苦笑い。

断髪式にはや詩元さんの友達など約40人が参加。

詩元さんの優しい気持ちを見届けた。

永友詩元さん:
すっきりした。とうとう坊主になった。

もともと68cmあった髪は6ミリになり、かなり短くなった。

永友詩元さん:
がんなどで困っている子供にいきわたってね。応援しているから。

今では、詩元さんに続いて髪を伸ばす後輩の柔道部員も出てきたという。
母・永友綾香さん:
どこかでつらい思いをしている誰かに息子の4年間の頑張りが届いて、幸せの輪が広がることを願う。

切った髪は、宮崎ひむかライオンズクラブを通して、がんなどの闘病をする全国の子供たちに届けられるということだ。
(テレビ宮崎)