「13回目でも夢の舞台です」と、フリー進出を目標に掲げる大庭の挑戦に注目したい。

6位に籠谷歩未。坂本・三原らと同じリンクで腕を磨く籠谷は、社会人スケーターとして2年目を迎える。

出勤前に練習を行うため毎日4時や5時起きでリンクへ向かい、多い時は週6日練習を行っているという。そんなハードな生活を去年1年間送った中で籠谷が気づいたのは、「ただがむしゃらにやらない」ということ。

ただがむしゃらにスケートに向き合っていた昨季から、今季は西日本へ向けて有給をとるなど周囲やコーチなどに相談し今大会に臨んだという。

ハードな日々を送りながら全日本出場を決めた籠谷歩未
ハードな日々を送りながら全日本出場を決めた籠谷歩未

そして、ショート11位で折り返したフリーは、冒頭3連続ジャンプを完璧に決め流れに乗る。

7つのジャンプを全て着氷し、やりきった表情でリンクを後にした籠谷は、フリー6位と巻き返し、去年8位で逃した全日本への切符を勝ち取った。

「正直言ってどんな結果になっても後悔はないなって思っていました」まさに競技への挑み方を変化させつかんだ3年ぶりの大舞台。

チームメイトの坂本も、泣きながら祝福の電話をかけてくれたという。「楽しんで全日本の空気感を味わって滑りたい」と意気込んだ。

念願の初の夢舞台を決めた永見千代乃
念願の初の夢舞台を決めた永見千代乃

7位に永見千代乃。

大学ラストイヤーの今季は、4年間、全日本へ思いを馳せながらスケートに打ち込んできたという。ショートで会心の滑りを見せ4位に立つと、フリーでも大きなミスなくまとめ遂に全日本への道をつかんだ。

「大学入ってから全日本を目指してずっとやってきた。それだけを見てやってきて周りにもサポートしてもらったので。恩返しができて嬉しいです」と喜びを語った。

念願の初夢舞台での演技に注目だ。

“ケガに打ち勝つ”横井きな結

去年、ジュニア選手として全日本に初出場を果たした横井きな結。

強化選手入りしシニアを主戦場として迎える今季は、まさかのアクシデントが発生する。

アクシデントに見舞われながらも奮闘した横井きな結
アクシデントに見舞われながらも奮闘した横井きな結

「5月の下旬に練習している最中に選手と衝突してしまって、そのときに左足首のくるぶし辺りの骨が折れてしまった。その後は手術をして、ボルトを入れる手術を8月にしたばかり」

氷の上にのれるようになった時には初心者のように壁を使わないと滑ることができなかった。さらに、試合に出るなんて考えられない状況だったという。

そう語った横井だが、中部ブロックの舞台にケガをおして出場する。