“3秒筋トレ”には10種目あるが、基本となる「椅子座り」のやり方を紹介する。

基本の「椅子座り」
基本の「椅子座り」

1)食卓用などの椅子を用意。座った時に膝が90度くらいに曲がる高さのものがオススメ。キャスターなしで、ぐらつかないものを選ぶこと。

2)椅子から少し離れて、両足を肩幅に開いてまっすぐ立つ。両腕を胸で組む。この時、背筋を伸ばし、胸を軽く引き上げる。

3)「1」と声に出してカウントしながら、膝が90度ほど曲がるところまでお尻を下ろす。この時、目線は2mほど先の床に向ける。また、背中が丸まらないように注意する。

4)「2、3、4、5」とカウントしながらお尻をゆっくり座面すれすれまで近づける。お尻が座面に近づいたら最初に戻り同じように10回繰り返す。

一連の動作は呼吸を止めずに行うことが大切。10回を1~2日おきに週に3日以上行うことで筋力アップが期待できるという。

「3秒なのに5カウントなの?」と突っ込みたくなった人もいるだろう。その理由は、「ゆっくり5カウントすると、ちょうど3秒くらいになるのです」とのこと。

自分に合ったやり方でOK

負荷が軽すぎる場合は、より低い椅子を使うか、片足を横や斜め前にずらしながら行う、あるいは片足立ちで行うとよい。

デスクワークの人は、30分に1回は立って「椅子座り」を1回でも実践するのがお勧めだ。

負荷をかけたい場合は片足をあげてもよい
負荷をかけたい場合は片足をあげてもよい

10回まとめてやるのがしんどければ、朝・昼・夜に分けてもOK。できるスタイルで続けることが効果的だと強調する。

「まとめてやらなければいけないとか、たくさん回数をこなさなければいけないとか、正しいフォームでなければ効果がないとか、今は情報が溢れすぎて筋トレのハードルが上がりすぎている気がします。そんな小難しい理論よりも続けるほうが大切」

そして、筋トレを始めるなら「早いほうがいい」と続ける。

「30代後半~40代になると年に1~2%筋力が落ちると言いましたが、デスクワークなど、あまり運動しない生活習慣の場合はさらに落ちるスピードが速くなります。

筋力も“貯金”と同じで、借金状態(マイナス)から貯めるのは難しく、維持した方が楽。ですから、始めるのは早ければ早いほどいい。普段運動をしていない人ほど、効果を実感できるはずですよ」

『世界最短時間で10歳若返る たった3秒筋トレ』(講談社)

中村雅俊
西九州大学リハビリテーション学部 准教授/理学療法士。新潟医療福祉大学時に行った「3秒筋トレ」の効果についての国際論文を2023年に発表。「ニューヨーク・タイムズ」で取り上げられて話題になる。フィジカルトレーニングに関する精力的な研究により、ストレッチに関する論文数は世界ランキング1位(2023年)。その傍ら、リハビリのプロとして一般の方々のケアにもあたる。

イラスト=さいとうひさし

プライムオンライン特集班
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