2026年7月28日に熊本県で発生した最大震度7の地震は、活断層のずれが原因だった。
日奈久(ひなぐ)断層帯は、四国を横断する日本最長の「中央構造線断層帯」とつながっているとの指摘がある。熊本地震が四国の活断層にどのような影響を及ぼすのか。
高知大学防災推進センターの岡村眞客員教授への取材を通じ、四国北西部で懸念されるマグニチュード(M)8級の巨大地震のリスクと、高知県内への具体的な影響を検証する。
熊本と四国を結ぶ巨大断層帯の関連性
熊本県で甚大な被害をもたらした地震は、日奈久断層帯のずれによって引き起こされた。
日奈久断層帯は、和歌山県から徳島県、愛媛県を横断し、海を越えて大分県まで達する日本最長の活断層「中央構造線断層帯」の延長線上に位置する。
専門家の間では、日奈久断層帯と中央構造線断層帯は一続きの構造であるとの見方が強い。
1995年の阪神・淡路大震災も活断層のずれによる内陸直下型地震であり、6,000人以上の犠牲者を出した。同様の脅威を持つ巨大な活断層が四国を貫いている事実に、改めて注目が集まっている。
熊本地震の直接的影響は考えにくい
高知大学防災推進センターの岡村眞客員教授は、熊本と四国の活断層は「完全につながっているが、それぞれ分割して動いている」と指摘した。
今回の熊本地震が四国の活断層を誘発する可能性について、岡村教授は、破壊が熊本から西の方向へ進んでおり、四国からは遠ざかる動きであると分析した。中央構造線断層帯に今回の地震が直接的な影響を与えることは考えにくいとの見解を示した。
四国西側に潜むSランクの地震リスク
直接の影響は否定されたものの、四国の活断層における地震リスクが消えたわけではない。
中央構造線断層帯は約1,500年に1回の周期で活動する。徳島県から京都府にかけての区間は、約400年前の「慶長伏見地震」で動いた記録があるが、四国の西側では1,000年以上活動した形跡が確認されていない。
内閣府は、長期間活動していない四国西側の地域は力を蓄えており、危険性が非常に高いと警鐘を鳴らす。
政府の調査では、石鎚山脈の断層帯で30年以内に地震が発生する確率は3%以上とされ、主要な活断層の中でも特に警戒が必要な「Sランク」に指定されている。3%という数値は、専門的な知見から見れば極めて高い発生確率を意味する。
M8級地震がもたらす高知県内の被害
四国の活断層でM8.0を超える地震が発生した場合、高知県内でも深刻な被害が予想される。
岡村教授は、断層がどこまで割れ動くかは現代の科学では予測不能とした上で、高知県山間部では震度6強の激しい揺れに見舞われると想定した。
雨の多い時期と重なれば相当な規模の山崩れが発生する恐れがある。揺れの強さだけでなく、地形的な要因による二次災害への警戒が不可欠だ。
南海トラフ地震以外への備えを
岡村教授は、高知県を襲う脅威は南海トラフ地震だけではないと強調した。
県の北側には日本最大の活断層が走り、巨大地震を引き起こす可能性を秘めている。熊本地震の発生を、南海トラフ地震以外の内陸直下型地震のリスクを再認識する契機とし、広域的な防災意識を持つ必要があると語った。
