熊本地震の直後に政治資金パーティーを開いた福岡県議会の自民党県議団の松尾会長が会長職の辞任を表明したことを受けて、県民からは厳しい声が上がっています。
また、公明党県議団は一連の問題を受けて、政治倫理条例の成立に向けて動き始めました。
3日に行われた自民党県議団の役員会。
慌ただしく対応に追われる県議たちの中に、議員辞職したあの人の姿もありました。
◆中尾正幸 元県議
「あとで松尾会長が言うやろ」
そして…。
◆自民党県議団 松尾統章 会長(3日)
「先ほど県議団の役員会を行いました。私自身、辞意表明をし役員会において皆さん方のご理解をいただいた」
自民党県議団の松尾統章会長が突如、会長職を辞任する意向を表明したのです。
◆自民党県議団 松尾統章 会長(3日)
「私の発言が被災して苦しんでいる方、またそれを助けていただいている方、含め、多くの方々にどれだけ失礼な言葉に、表現に映ったんだろう」
松尾会長は県議会の金銭授受疑惑で県議団への批判が高まっているにもかかわらず7月28日、熊本地震が発生した直後にビアパーティーと称した政治資金パーティーを開催。
その後の会見の「やって良かった」発言でさらに批判を浴びる事態となっていました。
◆自民党県議団 松尾統章 会長(7月30日)
「いろんな声を聞けたというのは、私自身においても『気付き』があった。正直、やって良かったと思っています」
県議団の内部からも会長辞任を求める声が噴出し、辞意表明に追い込まれました。
その一方で3日の取材には…。
Q.議員辞職はされないということでしょうか。
◆自民党県議団 松尾統章 会長
「はい」
Q.その理由は何でしょうか
◆自民党県議団 松尾統章 会長
「私自身まだ説明責任も残っているので議員をしながらしっかりと説明をし、信頼回復含め、行動を示していきたい」
自身の議員辞職については否定しました。
◆自民党県議団 松尾統章 会長
「多くの方々のご批判を真摯に受け止めて同時に県議団の仲間もきつい目にあっているのではと思った」
県議団の仲間のことも考えたという今回の対応に、若手県議たちは…。
◆自民党県議団(当選2回) 大田満 県議
「これだけマイナスのイメージで見られているし、重く受け止めています」
◆自民党県議団(当選3回) 浦伊三夫 県議
「本当に残念です。その後のことを必死に考えながら何が一番良いのか、何が県民のためになるのか、県民を見据えてやることが一番大事」
これに対し金銭授受疑惑の渦中の1人で、自民党福岡県連の会長を務める松本國寛県議は…。
Q.若手の県議から不満の声が上がっているが。
◆自民党福岡県連 松本國寛 会長
「報告は聞いている。信頼回復のためにしっかりと若い県議の意見を聞いて受け止めて、少しでもその思いが通じるように今後動いていきたい」
一方、辞意表明した松尾会長の地元である北九州市八幡西区の人たちは…。
◆60代男性
「中尾県議は議員を辞職したが、県民の信頼を損ねたことを考えれば同じような身の処し方は必要なのではないか」
◆70代女性
「(会長職を)辞めただけで責任を取るというのはおかしい気がするし、良くないことをやったならばきっちりと県民に分かるように説明してほしい」
県議会の他の会派では新たな動きも出ています。
公明党県議団は県議会をめぐる一連の問題を受けて情報公開と説明責任を徹底した「政治倫理条例」の成立に向けて動きだしました。
Q.今後県議会にどんな影響があるか。
◆公明党県議団 新開昌彦 団長
「前に進めないといけない。もうこれで終わりって。前に進めないといけない。『もう県議団やる気がないね』とか『県議会そのものがやる気がない』と思われたらいけない」
また、国民民主党の福岡県連は4日、県議会の金銭授受疑惑を受けて党本部の顧問弁護士による地方議員全員への聞き取り調査を独自に実施。
副議長経験者の守谷正人県議も調査を受けました。
◆国民民主党 守谷正人 県議
「全てきちんと知っていることをお話しました」
Q.副議長になる時に金銭授受は。
◆国民民主党 守谷正人 県議
「ありません」
次々と問題が露呈する福岡県議会。
これからどう変わるのか、県民の厳しいまなざしが向けられています。
松尾会長の辞任表明の経緯は
松尾氏の県議団会長の辞意表明の経緯をまとめました。
TNCが県議会の金銭授受疑惑が最初に報じたのが7月5日です。
そして批判が日に日に高まり、中尾正幸元県議が7月24日に議員辞職しました。
さらに疑惑が深まっている最中の7月28日、午後4時27分に熊本地震が発生し、午後6時から松尾県議の政治資金パーティーが開かれました。
途中でアルコールが入る「ビアパーティー」とお笑いタレントの余興もありました。
その2日後の30日には松尾県議が報道陣に対し「『頑張れ』という声を数多くいただいた、やって良かった」と発言したところ内部を含めて批判が集中し、8月3日に会長職の辞任表明に至りました。
この「やって良かった」の意味合いについて松尾氏本人は「金銭疑惑のことを支援者に説明ができて、意見を直接聞けたのでやって良かった」と説明していました。
