福井・勝山市に“日本一”の「越前大仏」がある。1987年(昭和62年)に地元の起業家が建立して以来、長らく観光地として脚光を浴びることはなかったが、近年、外国人観光客からの人気が急上昇している。そこには、外国人の心をつかむ演出があった。
奈良の大仏超え!日本一の越前大仏
福井・勝山市の山の麓にたたずむ「大師山清大寺」。
この記事の画像(6枚)この大仏殿に鎮座しているのが、「越前大仏」だ。高さが17メートルあり、奈良の大仏より2メートルほど高く、座像の中で“日本一”の大きさといわれている。
東京のIT企業「ナビタイムジャパン」が、訪日外国人観光客向けナビゲーションアプリの利用状況から分析した結果によると、2024年夏に勝山市を訪れた外国人観光客が前年の20倍となり、増加率が全国2位となった。その主な訪問先が、越前大仏だ。
圧倒的スケールが“映える”
大仏はもちろんだが、SNSで人気を集めているのが壁面にずらりと並んだ1281体の石仏。荘厳な雰囲気と圧倒的なスケールが“映える”と人気だ。
東京からの観光客も「SNSで写真映えするスポットに越前大仏が取り上げられていて、気になっていたので来た」と話す。
また、大仏の前には大きな白い「仏」のモニュメントが設置されている。その横で両手を広げると「大仏」の文字が完成するといい、越前大仏の前で“大仏”になって撮影できる仕組みが、外国人観光客の心をつかんでいるようだ。
まるで仙境…日本一の五重塔も
境内では、人工的な霧で雲海を作る仕掛けが用意され、開門前と閉門前の1時間限定で、仙人が住まう伝説の地「仙境」のような幻想的な世界が広がる。(2024年は11月末までの午前8時~9時、午後4時~5時に実施)
敷地内にそびえ立つ五重塔は高さが75メートルあり、京都の東寺を抜いて、こちらも日本一の高さを誇る。最上階からは市内を一望できる最高のビュースポットだ。
日本一の大仏と五重塔に加え、“映える”仕掛けで外国人観光客が急増している越前大仏。北陸新幹線の開業によるアクセス向上で、さらなる活性化に期待が高まっている。
(福井テレビ)