対局中の熱い戦いは将棋ファンだけでなくとも、思わず見入ってしまうこともある。
しかし“将棋大好き芸人”のランパンプス・寺内ゆうきさんは、対局後の感想戦も見逃せず、それはまるで「口喧嘩」でもあるとする。
将棋を深く知らなくても楽しむことができる感想戦の見方を著書『知るほど観たくなる将棋 ドラマティック将棋論』(扶桑社新書)から一部抜粋・再編集して紹介する。
感想戦は口喧嘩
将棋は対局後も面白いんです。他のスポーツにはないイベントがあります。それが「感想戦」です。
今まで対戦していた相手と対局を最初から振り返り、「あそこでこうしたらどうだった?」とか、「この場面ではこの手を指されたら困ってたよ」などと話し合うのです。
すごいですよね。お互いが強くなるために反省会をするんです。棋士たちはもちろん勝利を目標にはしていますが、「いい将棋を指したい」と常に思っているんです。
この記事の画像(3枚)だから、今日よりいい将棋を指すために対戦相手と感想戦をするわけです。
当然、棋士は自分が指した手をすべて覚えていますから、序盤の定跡と言われる部分はスラスラと進みます。中盤の仕掛けあたりから、「この場面でこの手を指していたら?」という“if(もしも)”へと話を進めます。