ある程度進めてお互いの納得がいくと、本譜に戻ります。本譜とはその日指された実際の進行のことです。
時にはお互いの思考がぶつかり本譜から脱線しすぎて、こうなったら別の将棋なので今日はこの辺で……といった感じになることもあります。
対局で負けて感想戦でも負けて…
大山康晴十五世名人という方がいらっしゃいました。将棋界では知らない人がいない、めちゃくちゃ強い棋士です。この方と対戦すると「二度負かされる」と言われていました。
それは対局で負けた後に感想戦でも負かされるからです。
感想戦で負けるとは?と思う方もいるでしょう。感想戦という言葉には戦という文字が含まれていますよね。そう、これも戦いなんです。
どういう戦いかというと、棋士のプライドとプライドの戦いです。その対局で自分が最善だと思った指し手ですから、当然指した方には主張があるわけです。ただ大山先生は自分の主張を譲らず、相手より精神的に優位に立つという盤外戦術を施していたそうです。
藤井聡太も「二度負かされる」棋士
将棋界はプロになってから約40年ほぼ同じ相手と戦い続けます。一度苦手意識を植え付けられるとなかなか払拭できるものではありません。