奈良にあるお寺、興福寺で1058年の将棋の駒が見つかりました。これは将棋にまつわる最古の資料で、1000年前にはすでに将棋は存在していたことがわかります。

ちなみにこの頃から駒の形は五角形です。駒を五角形にしちゃおうぜ!って最初に決めた人に会って理由を聞きたいですよね。

将棋史初のプロは家康から給料を

ただ、この頃はちょっとルールが違ったようです。取った相手の駒を使えなかったり、桂馬が2ヶ所ではなく8ヶ所動けたりしました。

今の将棋の形になったのは15世紀から16世紀ごろと言われています。しかし記録として残っているものがないので、「最低でも400年」と言われているのです。

ちなみに、先ほどの最古の棋譜を残した対局者は、初代大橋宗桂さんと本因坊算砂というお二人です。

特に初代大橋宗桂さんは、今の藤井聡太名人にまで続く名人の歴史の「一世名人」、つまり最初の名人であり、将棋が強すぎて徳川家康からお給料をもらっていた将棋史初のプロと言える人なんです。

その棋譜を現代の将棋AIで解析してみると、ほぼ悪手を指していないハイレベルな戦いだということがわかったそうです。

400年ルールが変わっていないから、同じものさしで観ることが出来るというのも将棋の魅力です。

将棋は戦争ゲームではなく財産ゲーム

将棋には元となったゲームがあります。古代インドのボードゲーム「チャトランガ」です。

このチャトランガは、戦力を削って相手の王を倒す戦争ゲームで、もともとは戦争好きの王様をなだめるために生まれたゲームと言われています。

そのチャトランガが西に伝わってチェスとなり、東へ伝わって中国のシャンチー、朝鮮のチャンギとなりました。これらのゲームはチャトランガと同様に「戦争ゲーム」といえます。

それは使用される駒が兵力を表しているからです。王様がいて、兵隊がいて、馬がいて、車がいる。ゲームのベースはみんな同じです。