こうした公明支持層の“自民党離れ”は、11日に行われる、首相指名選挙で指名されるべき人についての質問でも顕著になった。

首相指名選挙で、指名されるにふさわしい人を聞いたところ、全体では「自民石破総裁」46.1%、「立憲野田代表」17.4%、「国民玉木代表」10.2%、「維新馬場代表」2.7%となった。
この質問の「自民石破総裁がふさわしい」との意見について、自公の支持政党別に見ると「自民支持層」79.4%に対し、「公明支持層」では38.0%と、自民支持層の半分以下に落ち込んだ。
与党支持層ながら「立憲野田代表」との答えは19.8%、「その他」が37.0%に上った。

選挙直後の世論調査で見られる、公明支持層の自民離れの一因として、公明党の新代表に就任したばかりだった石井啓一代表の“落選ショック“が上げられる。
公明党代表が就任直後の選挙で落選する前代未聞の結果に、石井氏本人も「自民党の不記載問題が与党全体に逆風になった」と述べるように、自民党の「政治とカネ」問題に公明党も与党として足を引っ張られたとの認識が、公明支持層に広がったことが、選挙前後での公明支持層の態度の変化の原因にあると思われる。

【首相指名選挙 ふさわしい人】
自民石破総裁 46.1%
立憲野田代表 17.4%
国民馬場代表 10.2%
維新馬場代表 2.7%
【首相指名選挙 ふさわしい人 自民・公明支持層】
自民層 公明層
自民石破総裁 79.4% 38.0%
立憲野田代表 3.2% 19.8%
その他 5.3% 37.0%
公明支持層の“自民離れ”招いた「政治とカネ」
今回の世論調査では、自公にとって逆風となったとされる「政治とカネ」問題についても質問した。

衆院選で、自民党は政治資金の不記載があった議員らに対し、公認見送り、または小選挙区と比例代表の重複立候補を認めない、などの対応で臨んだ。
選挙で国民の審判を経たことで、自民党の政治とカネ問題に一定のケジメがついたかどうか質問したところ、「ケジメがついた」は10.6%にとどまり、「ケジメはついていない」との意見が85.5%に上った。
これを“クリーン”を掲げる公明支持層でみると「ケジメはついた」はわずか6.6%、「ケジメはついていない」は91.7%にも上り、他の野党と同等、それ以上に厳しい意見が与党公明支持層から示された。
【選挙を経た政治とカネ問題へのケジメ】
ケジメがついた 10.6%
ケジメはついていない 85.5%
【政治とカネ問題へのケジメ】(自民・公明支持層)
自民層 公明層
ケジメはついた 21.1% 6.6%
ケジメはついていない 73.3% 91.7%

同じく「政治とカネ」をめぐる、今後の自民党の対応として焦点となっているのが、政治資金の裏金問題で自民党を離党、または選挙前に非公認となり当選した議員らの自民党会派入りだ。
全体では、「ケジメ」問題に比べると、自民会派入りを容認する声が多くなったが、ここでも公明支持層からは厳しい意見が示された。
まず全体の回答を見ると、「すぐに自民党会派入りして問題ない」との答えは13.2%、「ある程度の期間の後であれば問題ない」30.9%、「自民会派入りは不適切」52.0%となった。
「すぐに」「ある艇後の期間の後」自民会派入りを認める声が4割強、「今後も認めない」5割となった。
これを公明支持層で見ると「すぐに自民会派入り」17.3%、「ある程度期間の後自民会派入り」13.6%、「自民会派入りは不適切」69.0%となり、自民支持層の7割が自民会派入りを容認する意見と大きく異なり、厳しい見方をしていることが明らかになった。
【非公認議員の自民会派入り】
全体 公明層 自民層
すぐに自民会派入り 13.2% 17.3% 21.0%
一定期間後に自民会派入り 30.9% 13.6% 51.2%
自民会派入りは不適切 52.0% 69.0% 24.7%