そんな自分の身を守るためにある“鋭い毛”だが、実は生まれた時は短くてやわらかい。そして、生まれて数時間後には硬くなり、成長と共に徐々に伸びていくという。

「人間の髪の毛と同様のニュアンスで考えていただければと思います。体格に合わせて伸び、古い毛から抜け、新しい毛と生え変わります」
そのため若いヤマアラシは毛艶がよく、老齢になると毛が薄くなったりもするという。
尾周辺の毛は「一斗缶が貫通する」
また、体にはたくさんの鋭い毛を持っているが、全てが危険なわけではない。
「刺さるのは尾の周辺の太く短い
毛(針) で、背中中央辺りの長い毛はそこまで硬くはなく刺さることはありません。また、お腹の毛もやわらかく、刺さることはないです」

では、どれくらいの硬さがあるのか?
谷仲さんによると、顔周辺から上半身は高級タワシくらいで、背中周辺はプラスチックのストローくらい。尾周辺は小枝くらいの硬さで「先が鋭く尖っているので、本気を出したら一斗缶が貫通します」とのことだった。