「重要性は高いが緊急性が低い」仕事について、おそらく大多数の人が「そりゃ、やったほうがいいとは思っている」と答えます。
これは、まさに「利得の喜び」をイメージした発言です。

一方で、トヨタの仕事ができる人は、「やらずに放ったらかしたら、〇〇になるよね」という「損失の悲しみに」にも想像を働かせます。「損失の悲しみ」のほうが、心理的な影響は2倍であり、行動の優先順位を上げやすくなります。
また、カイゼンして得られる成果や称賛、何もせずに失う評価や信頼、これらを具体化することで、ポジティブな未来とネガティブな未来の振れ幅を大きくします。
振れ幅を大きくするほど、「いまやらなければ、損をする。損はしたくない」という気持ちがより高まり、行動の優先順位を上げやすくなります。
仮でも自分で期限を決めてみる
【STEP2:「実行意図」で、緊急性をシフトさせる】
みなさん、学生時代に宿題をやろうと思って机に向かおうとしていた矢先、親から「宿題をやりなさい」と言われて、やる気が失せた経験はありませんか?
行動科学者ピーター・ゴラウィッツァーが提唱する、「実行意図(implementation intentions)」という概念によると、本人が何を、いつ、どこで、どのように行うかを具体的に計画することで、目標達成の確率が高まる、という研究結果があります。