春高バレー県代表決定戦・第1シードの山形城北高校男子バレーボール部。8月のインターハイで全国の壁の高さを痛感し、サーブを中心にレベルアップを図った。佐藤兄弟を軸に、春高では10年ぶりの頂点を目指す。

まだまだ全国では通用しないと痛感

2024年6月の山形県高校総体を5年ぶりに制し、今大会は第1シードの山形城北。8月のインターハイでは、予選で茨城県代表の土浦日大をストレートで下し、春高を含め5度目の挑戦で、男子バレーボール部初の全国1勝を挙げた。

この記事の画像(11枚)

しかし、安部功監督は「予想以上に力の差を感じ、ショックを受けて帰ってきた。まだまだ力が足りないと感じることができた」と振り返る。

3年生・キャプテンの太田絢斗選手も「まだまだ全国では通用しない部分が多く、攻撃面も守備面もまだまだ全然足りていないことに気付けるいいきっかけになった大会だった」と話す。

インターハイの決勝トーナメントの初戦は、山口県代表の強豪・高川学園に大差で敗れ、2024年の目標である「全国ベスト8」の壁は高いことを痛感したインターハイだった。

武器は“直前で打ち分ける”サーブ

全国大会で得た課題の1つで、春高に向けて強化しているのがサーブだ。全国の強豪が相手でも、サーブで崩せば勝負できる。

安部監督は「様々なところに変化をつけて、緩急、コースを意識して『崩すサーブ』を念頭に打っている」という。

注目はサウスポーのアウトサイドヒッター・3年生の木村悠聖選手が打つ「ハイブリッドサーブ」。
ハイブリッドサーブとは、ジャンプサーブとジャンプフローターサーブを状況に応じて打ち分けるサーブのこと。相手にとっては打つ直前までどちらかわからないため、取りにくく、チームの大きな武器となる。

アウトサイドヒッター3年・木村悠聖選手:
春高ではしっかり攻めのサーブで、前や後ろハイブリッドサーブで崩して、自分たちがやりたいコンビバレーで勝利をつかみたい。

チーム最長身と1年生セッターの兄弟

2023年は春高バレー県代表決定戦で準優勝と、オレンジコートまであと一歩だった山形城北。

キャプテン・太田絢斗選手がジャンプ力とスパイクを見せる(画像中央)
キャプテン・太田絢斗選手がジャンプ力とスパイクを見せる(画像中央)

悔しさをバネに「今年こそは」と成長を続けてきた2人のエースは、豊かなジャンプ力から鋭いスパイクを打ち込むキャプテン・太田絢斗選手。そして、チーム最長身の185cm、圧倒的なパワーが持ち味の2年生・佐藤純大選手。

サーブで相手を崩しチャンスボールを取ったときはもちろん、苦しい場面でも決め切る勝負強さを磨いてきた。

佐藤悠大選手は兄と一緒にバレーをしたいと入学し、1年生でレギュラー入り
佐藤悠大選手は兄と一緒にバレーをしたいと入学し、1年生でレギュラー入り

スパイカー陣に正確なトスを供給する司令塔のセッターは、1年生の佐藤悠大選手。実は佐藤悠大選手は、エース・佐藤純大選手の弟だ。兄と一緒にバレーボールをやりたいと山形城北に入り、1年生でレギュラーの座をつかんだ。

佐藤悠大選手は兄・純大選手について、「バレーに対してものすごく真剣で、トスを上げたら決めてくれる信頼がある選手」と語った。

一方、兄の純大選手は、悠大選手について「家でもバレーの話など色んなことを話しているのでけっこう仲がいい。ずっとやってきた分、打ちやすいところがあるし、自分の要求にも応えてくれるので助かっている」と話す。

佐藤兄弟を軸に一丸となって目指す10年ぶりの春高の頂点。

佐藤純大選手が鋭いスパイクを決める
佐藤純大選手が鋭いスパイクを決める

第1シードと追われる立場だが、チームのモットー「挑戦する気持ち」を忘れずに決戦の舞台に挑む。

アウトサイドヒッター2年・佐藤純大選手:
インターハイ(予選)では自分たちが勝ったが、去年の春高の決勝で負けているので、チャンレンジャーとして向かっていって、優勝して全国大会に行きたい。

アウトサイドヒッター キャプテン3年・太田絢斗選手:
自分たちは1年生の時ベスト4、去年は準優勝で終わってしまった。最後は優勝して全国にもう1回挑戦する切符をつかみたい。

山形城北は初戦で、地区予選から勝ち上がった創学館と対戦する。

(さくらんぼテレビ)

さくらんぼテレビ
さくらんぼテレビ

山形の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。