高校生バレーボーラーが憧れのオレンジコート行きの切符をかけて戦う「春の高校バレー県代表決定戦」が10月12日に開幕する。今大会に出場するのは、6月の県高校総体のベスト8と、各地区予選を勝ち抜いた8チームの、合わせて男女それぞれ16チーム。注目校紹介の最終回は、米沢中央・女子だ。
史上初の5連覇に挑む 米沢中央・女子
春高バレーが3年生主体となった2010年以降の14大会で、実に9回の優勝している置賜の常勝軍団・米沢中央高校女子バレーボール部。今大会は、学校初の「春高5連覇」に挑む戦いとなる。
この記事の画像(10枚)セッター・3年生 杉山由菜選手:
自分も1年生の時からずっと優勝してきたので、最後の年は5連覇したい。
アウトサイドヒッター・キャプテン3年生 佐藤鈴選手:
今までの先輩の伝統をしっかり受け継いで、自分たちがしっかり勝って5連覇したい。
「また全国のオレンジコートへ」との思いを強くしているのは、選手たちだけではない。学校初の春高5連覇に向け、選手たちの背中を保護者のみなさんが強くあと押ししている。
食事も応援も 保護者の熱いサポート
練習試合だったある日、校舎の隣にあるセミナーハウスに保護者の姿があった。週末や連休には、予定が合う保護者が相手チームを含め選手たちの食事を用意している。
1年生のリベロ・遠藤風吹選手のお母さん・愛さん。2023年度までお姉さんも米沢中央でバレーボールをしていたため、選手たちのサポートは4年目になる。
母・遠藤愛さん:
子どもたちもすごく練習を頑張っているので、私たちもこういうサポートで力になれたらと思う。ケガをしないようにとか、思い切りプレーできるように気持ちを込めて、みんなでおいしいもの・温かいものを食べさせてあげたいと。
食事はパワーの源だ。
さらに試合でも遠藤さんは重要な役割を担っている。
4連覇した6月の県高校総体。スタンドで米沢中央の応援の中心にいたのは遠藤さん。大会になると、太鼓で応援をけん引している。
真剣な表情でリズミカルに一打一打を叩く遠藤さん。「特に練習したわけではないが、ただ気持ちで叩いている感じ」と話す。
母・遠藤愛さん:
私たちは「応援で点数につながる」「応援には力がある」とずっと信じて応援してきているので、応援でも流れを作れるようにと意識している。
「子どもたちが憧れるオレンジコート」
2024年1月の春高バレー全国大会。
新型コロナの収束を受け4大会ぶりに1回戦から観客が入り、遠藤さんたち保護者もスタンドから声援を送った。
遠藤さんは「子どもたちが憧れるオレンジコートは“ここなんだ”と、私も胸が熱くなった」と当時を振り返り、「また絶対行きたい気持ちは保護者のみんなにもあるし、そのために食事を作ったり、励ましたり。みんなが一丸となって、またあのオレンジコートに立ちたい」と熱い思いを語る。
保護者にとっても春高のオレンジコートは心躍る舞台だ。子どもたちがオレンジコートで懸命にボールを追い、笑顔でプレーする姿が見たいのだ。
保護者のサポートを受けながら紡いできた「連覇という強豪の証」。
米沢中央の伝統「気持ち・ねばり・ムード」のバレーボールが、ことしも春の舞台で躍動する。
セッター・3年生 杉山由菜選手:
最後の大会になるので悔いの残らないようにして、保護者にも恩返しできるような自分たちのプレーを見せられるように頑張りたい。
アウトサイドヒッター・キャプテン3年生 佐藤鈴選手:
いろいろな人たちが応援してくれている中で、自分たちが結果で恩返ししないといけないと思うので、しっかり優勝して、春高(全国大会)に連れていきたい。
激戦が予想される男子の春高
あらためて県代表決定戦の組み合わせを女子から見ていく。
5連覇をねらう第1シードの米沢中央は山形北との初戦。
米沢中央の連覇にストップをかけようと、上山明新館・山形商業・山形城北などが虎視眈々と優勝をねらっている。
男子は、10年ぶりの優勝をめざす第1シードの山形城北や、4連覇がかかる第2シードの山形中央など、力が拮抗(きっこう)していて激戦が予想される。
男女の決勝はさくらんぼテレビで、ことしも元日本代表の大林素子さんの解説でお伝えする。熱戦の模様をぜひご覧ください。
(さくらんぼテレビ)