子供にはどんどん食べて成長してほしい一方で、「親は痩せたい、太りたくない」というジレンマに直面している人も多いだろう。

そんな子育て世帯の食卓の課題を解決するには、どのような食事を取ればいいのだろうか。

管理栄養士・公認スポーツ栄養士の吉谷佳代さんによれば、その答えは、「朝食にタンパク質を取って代謝を上げること」と「栄養バランスのいい夕食を取ること」だという。

虎戦士の日本一をサポート

吉谷さんは、阪神タイガースの公式栄養アドバイザー。

2023年に18年ぶりのリーグ優勝、そして38年ぶりの日本一を果たした虎戦士たちを食事の面から支えている。

その仕事は、選手一人ひとりのパフォーマンス向上の目的に合わせた食事法のアドバイスから、選手の妻たちへの栄養学・料理講習、寮や遠征先ホテルのメニュー監修まで、きめ細やかなサポートをしている。

球団初の阪神タイガース認定レシピ集『トラめし 強い体、疲れない体をつくる!』(講談社)
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そのエッセンスをまとめた球団初の阪神タイガース認定レシピ集『トラめし 強い体、疲れない体をつくる!』(講談社)が5月に発売された。

また、今年はパリオリンピックの男子バレーボール代表チームに帯同し、食事管理を行うなど、活躍の幅を広げている。

「食事のとり方は情報の宝庫。食べ方や好みを見ていると選手の思考やコンディションが分かってきます」(吉谷さん)

キーワードは「代謝」

そんな吉谷さんに、「子供は成長してほしいけれど親は太りたくない」と、子育て世帯の悩みをぶつけてみると、「どちらにも共通する課題は、代謝を上げることです」と言う。

代謝を上げるためのポイントは朝ご飯(画像:イメージ)
代謝を上げるためのポイントは朝ご飯(画像:イメージ)

「代謝を上げることによって、成長期の子供は骨が成長して身長が伸び、筋肉がつく体になっていく。大人は脂質の代謝が上がり、脂肪が燃焼しやすい体に。細胞も活性化するため、老化の予防にもつながっていきます」(以下、吉谷さん)

そして、家族全員の代謝を上げるために共通してやるべきことは、「朝ご飯をしっかり取ること」だと言う。その理由をこう説明する。