2023年、38年ぶりのリーグ優勝・日本一を成し遂げた阪神タイガース。
そんな彼らの食事のサポートをしていたのが、スポーツ栄養士の吉谷佳代さんだ。
現在は、阪神だけでなく女子、男子バレーの実業団チームやパリオリンピックでは男子バレーボール代表チームのスポーツ栄養士として帯同した。
その吉谷さんが監修したのが、「勝ち飯」を自宅で簡単に再現でき、球団初の阪神タイガース認定レシピ集『とらめし 強い体、疲れない体をつくる!』(講談社)。
そこから、疲労回復につなげるための3つのポイントと疲れが吹き飛ぶ食事術、そして「ちらし寿司」のレシピを一部抜粋・再編集して紹介していく。
疲労回復のエースピッチャー!「ビタミンACE」
疲労回復に効果的な栄養素の代表が、「ビタミンACE(エース)」と総称されるビタミンA、C、Eです。
抗酸化ビタミンとも呼ばれ、疲労回復やストレスの緩和を助けて免疫を高める効果があります。
緑黄色野菜、かんきつ類などのビタミンACEを含む食品は、できれば毎回食事に取り入れましょう。
また、体のエネルギー代謝を促す「炭水化物」(ごはん、麺類など)、ビタミンB1の働きを強める香り成分「アリシン(硫化アリル)」(ニラ、にんにくなど)も一緒に摂ると効果的。
質の高い睡眠のために、睡眠ホルモンの材料になる「トリプトファン」(牛乳、ナッツなど)も意識するとなおよい。
リカバリーのための食事「3つ」のポイント
調理・食べ方にもポイントがあります。今日の食事が明日の勝負の明暗を分ける。疲労回復のために押さえておきたい食事のコツ、教えます。
<1>「糖質×ビタミンB1×アリシン」が究極の食べ合わせ!
運動による疲労は「エネルギーを回す」ことで回復しやすくなります。
炭水化物(糖質)と、そのエネルギー源とセットで働くビタミンB1、アリシン(硫化アリル)の組み合わせを意識した献立なら疲労回復効果UP!
一般家庭でもよく常備されている食品だけでも組み立てられるので、今すぐ活用できます。
炭水化物(糖質):ごはん・麺類・パンなど
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ビタミンB1:豚肉・玄米・納豆・枝豆・うなぎなど
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アリシン:ねぎ・ニンニク・ニラ・タマネギなど
<2>「抗酸化ビタミンACE」で活性酸素を取り除く!
疲れの原因の一つとして考えられている「活性酸素(炎症反応)」。野球選手は一般人に比べ酸素を多く使い、その燃えカスである活性酸素も多くなります。
活性酸素は炎症を起こし、疲労の原因になるとされているため、それを取り除く抗酸化ビタミン「ビタミンACE」を毎食意識して摂りましょう。
ビタミンACEがとれる食品:
パプリカ、アボカド、かぼちゃ、にんじん、アーモンド、ツナ缶、オレンジ、キウイなど