再開発が進むJR広島駅に新たな注目スポットが誕生した。10月1日、駅構内のエキエ2階に老舗のスーパーマーケット「成城石井」がオープン。全国214店舗の中で“最も西”となる広島初出店のねらいを聞いた。

広島は「2024年最大の新店」

10月1日午前10時前、開店を待つ人の長い列ができている。ざっと100~200人はいるだろうか。JR広島駅構内で念願の広島初出店を果たしたスーパーマーケット「成城石井」。入場制限が行われる中、ついにオープンした。

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開店初日、広島駅店の金原英吾店長は「2024年最大の新店ということでございまして、本日の目標売上は1000万円!」と気合たっぷり。

成城石井の後藤勝基社長は「初日は笑って楽しくと言っていましたけど、たくさんのお客様が来られてそれどころじゃないと思います。まずは乗り越えましょう」と集まったスタッフに声をかけた。

あれもこれも…人気スーパーに大興奮

「成城石井」は1927年に東京・世田谷区成城で創業し、これまで関東を中心に1都2府19県に展開。今回の「広島駅店」で214店舗目になる。

売り場には世界中からバイヤーが厳選した商品など約6000アイテムが並んでいて、オープンと同時に買い物客が興奮した様子で店内をめぐっていた。買い物カゴが商品でいっぱいになる客も。そこへスタッフの威勢の良い声が飛び交う。
「さあ、こちらは成城石井一番人気のチーズケーキでございまーす」

東京出身で10年ほど前から広島に住む客は「広島になかったので、今回のオープンがすごくうれしい。みなさんが買うチーズケーキではなく、6種類のチーズを使ったフォルマッジ。ちょっと塩味のあるチーズケーキなんですけど、私はこれが一番好きで…」と言って、お気に入りのチーズケーキを手に取った。

また、孫から勧められて来たという客は、購入した総菜や商品をエコバッグから出して見せてくれた。
「これがおいしいということで、それからこれとこれがとってもおいしいらしいです。もう一つ、私はアップルケーキが好きだから、これも買いました」
次から次へと出てくる“お目当ての品”。待望の初出店に人々の心は浮き立ち、広島駅構内はいつも以上に活気づいている。オープンから2時間が過ぎても入店を待つ列が途切れることはなく、午前10時から正午までの2時間で約500人が訪れる盛況ぶりだ。

「世界に知ってもらうきっかけ」

広島駅店は成城石井にとって“最も西”の出店である。関東で製造する人気の自家製総菜やデザートの鮮度を維持して運ぶことが難しく、これまでは岡山県までしか出店できなかった。

しかし2024年3月、大阪に新たな物流センターを稼働させたことで、さらに西への出店が実現したのだ。

成城石井の五十嵐隆執行役員は「中国エリアの中心にある広島は私たちにとって念願の場所でした。広島エリアが活性化すると世界中からお客様がどんどん集まってくる。いずれは海外に出ていきたいというイメージを持っています。グローバル都市の広島に拠点を置くというのは非常に重要な戦略でもあり、世界のお客様に成城石井の良さを知っていただくきっかけ」とし、広島を足がかりに世界へアピールするねらいだ。

駅自体が日常と非日常をつなぐ場所であり、そこに“いつものスーパーとはひと味違う”非日常を楽しめる空間が新たに加わった。新駅ビル「ミナモア」の開業も2025年3月24日に控え、いま広島の街全体が盛り上がりを見せている。

(テレビ新広島)

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