では、さっそく作り方を見ていこう。
(1)筋子を買う
「粒が大きいものがお勧めです。走りの時期から時間が経つと値段は安くなる傾向がありますが、油断するとシーズンが終わってしまい手に入らなくなるので、食べたい時に思い切って買いましょう」
(2)網で筋子をバラバラにする
「ボウルか丼の上に2センチ角程度の網を置きます。網の上に筋子を置いて、上から円を描くように押してイクラをポロポロと落としていきます。最後は上からしっかり押さえてもう一方の手で膜を引っ張ると綺麗にはがれます。イクラは川の中で石や砂に埋められて孵化を待つので、力強く押しても割れません」
(3)塩水(1-3%)でざっと洗う
「バラバラになったイクラを塩水に入れて洗い、膜やぬめりを取り、塩水を捨ててください。濁りが無くなるまで2、3回行います」
イクラを湯に通す
(4)70℃程度のお湯に入れて1分間、お玉で混ぜながらお湯の中をまんべんなくイクラを泳がせる
「厚生労働省によると、アニサキスを殺すには『60℃で1分以上』か『70℃以上』で加熱するのがお勧めとのこと。70℃のお湯にイクラを入れてかき混ぜ、1分後に温度を計って60℃以上だったら条件を満たします。なお、お湯が熱すぎるとイクラの膜が弱くなり破けやすくなるのでご注意ください」
(5)氷水に入れて冷やす
「イクラをザルに上げて、すぐに氷水に入れて冷やします。お湯に入れると白くなるイクラもあり、『失敗した!?』とドキッとしますが、味付けするタイミングで透明感は戻るので安心してください」
(6)イクラ:味付け液=3:1の割合で味付けする
「味付け液は事前に準備します。味付け液は、醤油:日本酒:みりん=1:1:1の割合で、一旦沸騰させてアルコールを飛ばして常温まで冷やしておきます。味付け液が多いと、イクラがはちきれるほど張ってしまう傾向があります。私はそちらの方が好きですが、お好みで液の量を変えてください。今年のイクラは大成功!等と食卓の話題にしても楽しいですね」
(7)5~6時間置いて完成!
「翌朝、味がしみ込んだら、よく噛んでイクラの食感を感じながら潰して味わってください!生ものなので、3~4日で食べ切ることをお勧めします。食べきれない分は小分けにして冷凍すればしばらく楽しめます。冷凍しても破けないのがイクラの素敵なところです」
お湯に通さないレシピも
「冷凍をする前提であれば、お湯に通さずに(4)(5)を省いて味付けしてから冷凍してもアニサキス対策になります。経験上、家庭用の冷蔵庫でも1週間冷凍すればアニサキスは死んでいるでしょう。ご飯の上にのせて数分放置すれば、自然に解凍して食べられます」
