9月20日から「動物愛護週間」が始まった。これに合わせて毎年メッセージを発信するのが、動物愛護に取り組む俳優の杉本彩さん。2024年は「ペットをどこから迎えますか?」。全国で相次ぐ動物虐待事件。杉本さんは、悪質なペットビジネスをなくすために、「正しい選択・行動」をしてほしいと訴えている。
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人間のちょっとした行動一つで
「動物環境・福祉協会Eva」の理事長として、保護活動に取り組む杉本彩さん。
9月14日、水戸市で「動物との共生」をテーマに講演した。

動物環境・福祉協会Eva 杉本彩理事長:
「私たち人間のちょっとした気持ち、行動一つで動物たちの環境は大きく変わり、動物たちの生涯が豊かであるかが左右されていくわけなんです」
劣悪な環境で飼育 無麻酔で帝王切開
杉本さんが「Eva」を立ち上げたのは10年前。講演会や学校での出前授業、国や自治体への働きかけなど、精力的に取り組んでいる。
長野県内でも2021年、杉本さんの刑事告発がきっかけで、ある事件が明るみになった。

松本市の販売業者による虐待事件だ。 1000匹近い犬をケージに閉じ込め劣悪な環境で飼育し、麻酔を使わず帝王切開で出産も。
ペット業界の暗部が明らかになった。
「量刑が軽く、抑止につながらない」
動物愛護法違反の「殺傷」と「虐待」の罪に問われた元代表。2024年5月に判決が言い渡されたが― 。
動物環境・福祉協会Eva 杉本彩理事長(判決後の会見):
「こんな判決いいのかって、本当に悔しくてたまらない」

判決は、執行猶予付きの懲役1年、罰金10万円だった。
動物環境・福祉協会Eva・杉本彩理事長(Eva YouTubeより):
「法定刑が緩すぎるのではないかと考えています」
杉本さんは「量刑が軽く、抑止につながらない」と厳罰化の法改正を求める署名活動を続けている。

動物環境・福祉協会Eva 杉本彩理事長:
「じりじりじわじわ、痛みと苦しみを伴って、恐怖を伴って犬たちは命を落としていった。司法の場では、動物の命はこんなにも軽く扱われているのかと。心底、本当にがっかりしました」
悪質なペットビジネスをなくすために
杉本さんは愛護週間に合わせて、毎年、ポスターなどを制作してメッセージを発信している。
2024年は「ペットをどこから迎えますか?」。
ペットを家族に迎える際、繁殖の場で起きているかもしれない「動物たちの苦しみや痛み」を想像してほしいと訴えている

。
動物環境・福祉協会Eva 杉本彩理事長:
「世の中から、こういった(悪質な)事業者がビジネスできないようにするためには、そのニーズをなくしていくことが大切だと思っているんですけれども、自分たちの消費行動が、本当に責任あるものでないと動物問題の解決に至らないんだと、しっかりと自覚していただくことがものすごく大切だなと」

子犬や子猫などをショーケースに展示して販売する「生体販売」。需要の高まりとともに、店は増加している。 「ペットフード協会」の調査では、2023年、犬を飼い始めた人の入手先の割合は「ペットショップ」が最多の63.3%。次いで「業者のブリーダー」が16.3%、「里親探しのマッチングサイトから譲渡」などと続いた。
優良なブリーダーや団体か…見極めを
優良なブリーダーや団体なのか、杉本さんは見極めが必要だと訴える。
動物環境・福祉協会Eva 杉本彩理事長:
「私たちとしては保護動物を迎えていただきたい。保護動物を迎えるのであれば、正しい活動をしている保護団体から迎えていただきたい。保護動物を譲渡していただくときは施設とか(団体の)人たちと実際に会って施設を見て、動物の福祉にかなった環境で保護されているのかとか(確認して)、慎重になっていただきたい」

講演を聞いた人は「フランスではペットショップないんですよね。そこまで極端なのは日本では到底実現しないと思うが、そうなるのが理想」、 「法律もなかなか変わらないということがあったり、(動物を)保護していくのは難しいんだなと感じました」 「自分に何かできることがないかなって考えられたので良かった」と話した。
最後まで動物の命に責任を持って
動物環境・福祉協会Eva 杉本彩理事長:
「この動物愛護週間に皆さまにぜひ考えていただきたいことは、皆さんの行動が、どこから動物を迎えるかという正しい選択をしてくださることが、動物たちの不幸をなくしていくことに本当に重大な影響をもたらしますので、ぜひ慎重に十分に考えて善良な団体さんから迎えていただきたいですし、最後までその命に責任を持って、その命を幸せにしてあげてほしいと思います」

(長野放送)