価値の減少を食い止め、不安を解消し、再び価値を増加させていくためには、現状のまま放置せず、意識的に時間と労働力、お金を使って、自分自身に投資をしていくことが打開策になります。

この5つに投資をしていくことで、将来の自分自身の選択肢を増やすことが可能となり、リスキリングを行う価値を最大化できるようになるのです。

アルコールと記憶力の関係性

そして、リスキリングのお話をしている中で、よくご相談いただくのが記憶力や集中力のお話です。

そこで、私が効果を実感した、記憶力と集中力を高めるための習慣についてご紹介します。

例えば、社会人になってから物覚えが悪いと多くの人がおっしゃる理由の一つには、アルコールとの関係があるのではないでしょうか。

アルコールが記憶力に影響?(画像:イメージ)
アルコールが記憶力に影響?(画像:イメージ)

実は、年齢のせいだけではないのではないか、と一度疑ってみてほしいのです。例えば、大学受験中にお酒を飲みながら勉強していた、という人はどれくらいいるでしょうか?

受験生が18歳、19歳くらいだとすると、当然いないわけです。

私の場合、2020年、新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言下でリモートワークが始まり、ある日ふと気づいたことがありました。それは「記憶力がよくなっているのでは?」ということでした。

別に記憶力を高めるトレーニングをしたわけでもないので、何か生活の中で変わったことはないか、と思い返してみると、アルコールを全く飲まなくなっていたことに気づきました。

緊急事態宣言が始まり、友人たちと夜の時間帯に外食をすることも全くなくなり、夜中には欧米の国際会議にオンラインで毎日参加するという生活をしていたので、いわゆる寝酒的なこともしなくなっていたのです。

欧米で行われる1カ月の禁酒習慣

そこで調べてみると、厚生労働省のホームページには、「アルコールが加齢による記憶・学習低下を促進することが動物実験では証明されています」と書かれており、自分の場合は当てはまっているなと感じました。

ある実験では、アルコールが眠りによる学習効果も阻害するという結果が出ています。

新しい言語の文法を学んだ後、初日にアルコールを摂取したグループは、1週間後には「部分的な記憶喪失」とでも呼べる状態になり、覚えたことの半分を忘れていたそうです。

また、初日と2日目は熟睡し、3日目の夜にアルコールを摂取したグループも、覚えたことの40%を忘れていたとのことです。