7月の大雨で、山形・戸沢村をはじめ県内では2000棟近い住宅に浸水の被害があった。これは2022年8月豪雨の「2.6倍」の住宅被害だ。
私たちの自宅に被害があった時、どのような公的支援がどれだけ受けられるのか。国や県が被災者の生活再建のため設けている制度について詳しく伝える。
「災害救助法」修理サービス現物支給
自宅が被災した際の助けとなるのが、国の「災害救助法」と「被災者生活再建支援法」だ。

7月の大雨では、酒田市や戸沢村・鮭川村など計16の市町村に「災害救助法」が適用されている。支援の対象となるのは適用地域に住む人で、罹災(りさい)証明書が「大規模半壊」から「準半壊」までの住宅。

ただし、災害救助法による支援は現金がもらえるわけでなく、あくまで“壊れた自宅を修理するサービスが受けられる”という制度だ。
「半壊」以上の場合は最大71万7000円相当、「準半壊」は最大34万8000円相当の応急修理の現物支給が受けられる。
「被災者生活再建支援法」適用
吉村知事が8月23日の会見で「住宅が全壊するなど、生活基盤に著しい被害を受けた世帯主に対して支援を行う政府の『被災者生活再建支援制度』が遊佐町に適用されることとなりました。これにより、被災者の方が住宅を補修する場合などに、支援金が支給されることとなります」と語った通り、8月15日に遊佐町、23日には酒田市への「被災者生活再建支援法」の適用が決まった。
これは、住宅に「中規模半壊」以上の被害があった場合、国から支援金が出る制度だ。

見た目上、建物が残っていても、1.8メートル以上の床上浸水被害を受けた住宅は「全壊」と判定され、最大で300万円の支援金を受け取ることができる。

また、床上1メートル以上~1.8メートル未満は「大規模半壊」で、支援金は最大250万円。床上50cm以上~1メートル未満は「中規模半壊」で、支援金は最大100万円。
ただし、床上浸水50cm未満は「半壊」で、被災者生活再建支援制度では支援金の対象外となる。
県が現在も住宅の被害調査を進めていて、今後「被災者生活再建支援法」の適用となる市町村は増える可能性がある。
県独自の支援金 交付に向け準備進む
さらに県は、2022年の8月豪雨をきっかけに、こうした国の支援の「対象外」となった市町村を対象にした県独自の新たな制度をつくった。

県独自の支援金の内容は、国の「被災者生活再建支援法」と同じで、最大300万円を受け取ることができる。
吉村知事は、「県独自の被災者生活再建支援制度による、市町村と連携した支援や、床上浸水などの被害を受けた世帯主に対する災害見舞金の交付に向け準備を進めている」などと述べた。

吉村知事:
同じ県内でも、「あそこの町は適用になって、同じ全壊でもこっちの町は適用にならない」というのは本当に不平等なこと。しっかり支援していければ。
(さくらんぼテレビ)