線状降水帯の発生など記録的な大雨に見舞われた山形県内。酒田市では、特産のナシ畑が川からあふれた水で大きな被害を受けた。収穫期を前にしたこれまでに経験のない被害に、ベテランのナシ農家も「想像していなかった」と驚きを隠せない様子だった。
収穫直前のナシ畑を川の水が襲う
“地域の宝”のナシ畑では、主力品種の「幸水」の収穫を1カ月後に控えていた。しかし、酒田市刈屋の荒瀬川沿いにあるナシ畑に7月25日、あふれた川の水が押し寄せ、畑一帯を浸した。

この状況に、刈屋梨農家歴50年以上の小松賢さんは「こんなにひどいのは初めて。これだけ水が上がるとは、想像していなかった」と、驚きを隠せないでいた。
園地に押し寄せた川の水は、高い所で約1.8メートルにもなったとみられ、小松さんの川沿いの畑は泥が約30cm堆積しただけで済んだが、農家仲間の畑では、ナシの木と頑丈なナシ棚、10アール程度の園地が木ごと何もかもなくなっていたという。
「被害は全体の2割に上るのでは」
今後は水の影響による病気の心配や、水が引いても堆積した泥で消毒用の機械を入れられないといった心配があるという。

また、大きな被害を受けた園地では、後片付けや植え直しなどに大変な時間と労力が必要で、経験がない被害状況に立て直しはなかなか難しいと考えている。

小松さんは「水の被害を受けた園地は全体の約2割に上るのではないか」「なんとか、(国や県に)復旧に力を貸してもらわないと」などと語った。
県は農林水産関係の被害を受け、県庁と各総合支庁に相談窓口を設置、期間は7月29日から当面の間となっている。
(さくらんぼテレビ)
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