パリ五輪で92年ぶりのメダルを獲得した馬術の“初老ジャパン”。FNNは、4人だけで行われた祝勝会の様子を独自取材。平均年齢41.5歳の宴にカメラが密着した。
4人でギョーザ作り
4人が集まったのは、イギリス・ロンドンから車で3時間ほどの場所にあるコッツウォルズ。田中利幸選手(39)と北島隆三選手(38)が暮らす場所だ。
この地を拠点に、田中選手は13年、北島選手は9年、毎日馬の世話を続けながら活動している。
その2人が住む家を5日夕方、最年長の大岩義明選手(48)と戸本一真選手(41)が訪問。メダル獲得以来、初めて4人で集まり、ささやかな祝勝会を開くことになった。
調理は自分たちで行う。
田中利幸選手:
今からギョーザ包みます。
ギョーザのあんは、田中選手が仕込んだ。
――料理的なリーダーは田中選手?
北島隆三選手:
僕らのチームの中のシェフですから。
そして、4人で手際よくギョーザを包む。メダル獲得記念“初老ジャパン”特製ギョーザが完成した。
育てたゴボウは唐揚げに
コンロの前に立ち、北島選手が何かを調理していた。
――北島選手、これは何ですか?
北島隆三選手:
これはね、ゴボウの唐揚げ。
このゴボウは、北島選手が育てて収穫したもの。農園ではゴボウのほかにも、大根やジャガイモなどを育てているという。
北島隆三選手:
(自分で育てると)やっぱり美味しいですね。もう最高です。美味しいですよ。
田中シェフの手により、ギョーザも焼き上がった。
――出来栄えはいかがですか?
田中利幸選手:
バッチリです。
その味を仲間たちが早速確認。
北島隆三選手:
いただきます。
田中利幸選手:
どうですか?
大岩義明選手:
うまい、うまい、うまい。
4人で乗った表彰台「全員が貢献したということ」
その後、4人は火を囲んでパリ五輪を振り返った。
大岩義明選手:
うまく銅メダルが取れてたとしても、3人だった可能性があるわけですよ。団体は3人ですから。
総合馬術では本来、補欠のメンバーにメダルは授与されない。しかし、今回は北島選手の馬が最後の種目前の馬体検査をクリアできず、補欠の田中選手が出場。そのため、4人全員にメダルが授与された。
大岩義明選手:
表彰台にゴールドとシルバーのチームは3人しか乗ってないのに、我々だけ4人乗ったんです。これはチームの入れ替えがあって、全員が貢献したっていうことなんです。
補欠の選手が出場したことにより20点減点され、順位は3位から5位へ。そこから挽回し、銅メダル獲得を成し遂げたのは、まさにチームこの底力があってこそだという。
その銅メダルを手に改めて振り返ったのは、苦難の馬術人生だった。
北島隆三選手:
重みを感じますよね。
大岩義明選手:
これ(メダル)を取るために、人生をかけてさ。
北島隆三選手:
骨の1本や2本なんかっていうレベルじゃないですよ。
大岩義明選手:
俺はあばらを折って、肺がつぶれているしね。
田中利幸選手:
自分は頸椎。首。
北島隆三選手:
でもそれでも馬に乗りたいと思っていたし、それでも(メダルを)取りたいと思っていましたから。
苦楽を共にしたメンバー同士の時間を過ごし、メダル獲得の喜びをかみしめる4人だった。
(「イット!」8月7日放送より)