7月15日現在、セ・リーグトップタイの8勝をあげている、阪神の才木浩人投手(25)。
これまでけがもあり、順風満帆とは言えない道のりだったが、2024年のシーズンではオールスターのファン投票で1位になるなど、大きく飛躍。 その秘密に迫った。
この記事の画像(10枚)阪神タイガース 才木浩人投手:結果だけ見たらすごく良いとは思いますけど、100点満点だったら60点ぐらいじゃないですか。
7月15日現在、リーグトップの8勝を挙げても満足しない男、才木浩人投手。 阪神の次世代エースはオールスターのファン投票1位、まさに今ファンが一番見たい投手だ。
阪神ファン:もうエースと言っていい。日本で1番の投手になれると思いますよ。
阪神ファン:才木投手が投げる試合を観に来ると、勝てるんじゃないかと。
阪神ファン:大谷翔平を越えると思っているんで。
■ヒーローインタビューのコミカルな一面も魅力 原点は高校時代に
プレー以外にも人気の理由がある。
阪神ファン:ヒーローインタビューがコミカルでギャップがあって、すごくかわいい。
才木投手のヒーローインタビューを見てみると…
阪神タイガース 才木浩人投手:ピンチになったとき、すごい拍手をもらえたので、『ウェーイ!』と思いながら。
阪神タイガース 才木浩人投手:もうちょっと点取ってほしいですね。
阪神タイガース 才木浩人投手: (Q.歓声を聞いていかがでしたか?) ちょっと足りないですね。
その明るい人柄でもファンの心をつかんでいる。
才木投手の原点は高校時代にあった。クラスの学級委員長を務め、同級生の誕生日を祝うなど、まさにムードメーカーだった。
以前の初々しいインタビューを今の才木投手に見返してもらうと…
高校時代の才木投手(2016年):僕あまりファッションとか服とかを買いに行かないので、一人前の大人になれたら、おしゃれな服を着てどっか出掛けたいなっていうのはありますね。
インタビュー映像を見た才木投手:えぐい!クソガキ感がえぐいですね。(今も服は)1ミリも興味ないです。ブランドも分からないし、『もう服は着れてたらいいや』みたいな感じです」
■怪我に苦しみ育成選手も経験 リハビリ乗り越え涙の勝利
25歳になっても野球少年のような才木投手ですが、ここまで順風満帆だったわけではない。
右ひじを故障し、21歳だった2020年に手術。 2年間投げることができず、背番号が3桁の育成選手も経験した。
阪神タイガース 才木浩人投手:当時は別に楽しくもなく、ただしんどい毎日だったんですけど、それでもやっぱり腐らずに常に何か学び続けて、あの時間をちゃんと有効に使えたのは良かったかなと思います。
そして2022年、つらいリハビリを乗り越えておよそ1100日ぶりに復帰し、その試合で見事に勝利を飾った。
その試合後のヒーローインタビューで才木投手:3年間リハビリで手術もあって、本当にすごくしんどかったんですけど…(涙ぐむ才木投手)ずっと支えてくれた人たちのおかげで、今ここに戻ってこられたので、本当に感謝しかないです。
■日本一に貢献も さらなる飛躍目指して磨いたスライダー
逆境をバネに、成長を遂げた才木投手は、2023年のシーズンでは最速157キロのストレートと鋭く落ちるフォークを武器に自己最多の8勝を挙げ、防御率は脅威の1点台を記録(8勝5敗・防御率1.82)。38年ぶりの日本一に貢献し、飛躍の年となった。
それでも2024年春のキャンプでは、さらなる進化を目指す才木投手の姿があった。
取り組んだのは横に曲がるスライダーの精度を上げること。
阪神タイガース 才木浩人投手:2023年はストレートとフォークの2種類しかなかったので。他の球種で勝負できるように、スライダーが使えればと2023年から思っていたので。
■梅野捕手も成長実感 「スライダーの精度上がった」
そして迎えた2024年シーズンは努力が実を結び、スライダーの被打率は大幅に改善 (2023年.407→2024年.116 番組調べ)。新たな武器を手にしたことが今シーズンの活躍につながっている。
バッテリーを組む梅野隆太郎捕手も成長を実感している。
阪神タイガース梅野隆太郎捕手:スライダーに課題を持って昨シーズンから取り組んでいたところが、その精度が上がったことによって、いろいろな球種を選んでいけるようになったのが、一番大きな要因かなと思います。
■ノーヒットノーランまであと一歩…圧巻ピッチング披露も今季は「60点」と満足せず
6月9日の西武戦。才木投手が圧巻のピッチングを見せた。序盤から西武打線を完全に抑え込むと、気がつけば7回までノーヒットピッチング。 偉業達成まであと2イニングでしたが、残りアウト5つというところヒットを許し、ノーヒットノーラン達成とはならなかった。
登板後の才木投手:悔しい。5回4失点くらいの気持ち。
どこまでも貪欲な才木投手。 その姿勢は今シーズンの自己評価にも表れている。
阪神タイガース 才木浩人投手:100点満点だったら60点ぐらいじゃないですか。結果だけ見たらすごくいいと思いますけど、内容というかピッチングに対する感覚が、まだいまいち上がってこないというのが正直なところあるんで。そういうところが上がってきてほしいというのもあるので、満足度的に60点ぐらいかなと。
■高校時代から変わらぬ「やるなら一番に」
常に上を目指し続けるのは、高校時代から変わらぬ目標があるからだ。
高校時代の才木投手(2016年):やるなら一番を目指したいという気持ちがあるので、2番っていうのがすごい嫌い。
阪神タイガース 才木浩人投手(2024年):一流を目指してやりたいですし、一番になることを目指してやりたいので。そういう気持ちでマウンドに上がり続けたいと思います。
-Q.どうしたら満足するんですか?
阪神タイガース 才木浩人投手:(先発登板する)全試合で完全試合をやれたら満足するんじゃないですかね。
(関西テレビ「newsランナー」 2024年7月15日放送)