11月5日、阪神タイガースが38年ぶりの日本一に輝いた。阪神タイガースの日本一戦士から大活躍の2人が関西テレビのスタジオに生出演した。まずは2023年、WBCからフル出場の“虎の鉄人”中野拓夢選手。そして“虎の村上様”こと村上頌樹投手だ。2人は同期だということで、そんな2人だからこそ語れる舞台裏など聞いた。

阪神を日本一に導いた2人のキーマン

2人のプロフィールを紹介する。

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中野拓夢選手は1996年生まれの27歳。山形県出身で幼少期から阪神ファン。2020年のドラフト6位。2023年WBCで世界一、今期はフルイニング出場した。さらにことしは最多安打のタイトルも獲得した。

村上頌樹投手は1998年生まれの25歳。兵庫・淡路島の出身で近本選手と同郷だ。2020年のドラフト5位で、中野選手とドラフト同期だ。「虎の村上様」とも呼ばれている。日本シリーズではオリックスのエース山本投手と投げ合った。2023年は最優秀防御率のタイトルを獲得した。

阪神とオリックスで活躍し、日本一のビールかけにも突撃した超人・糸井嘉男さんにも加わってもらう。

ーー日本一から一夜明けたところだが、いかがだろうか?

中野選手:
あんまり寝れてないです、はい。興奮してちょっと寝れなかったですね

村上投手:
自分は少し寝れたと思います

ーーファンのみなさんの姿を見ていかがだろうか?

中野選手:
そうですね、こうやってVTRを見てあらためて鳥肌が立ちました。ここまで熱く応援していただいたので、本当に感謝しかないです。(パブリックビューイングをしていた甲子園球場の)盛り上がりは分からなかったので、映像で見て本当にすごい声援をいただいたなと感じました

村上投手:
自分たちよりファンの皆さんが一番喜んでいるなって思いました。(関西出身なので)自分もやっぱ阪神に入る前は、タイガースを応援していまして、パ・リーグはオリックスを応援していたので、本当にうれしいです

糸井嘉男さん:
(2人に向かって)本当にもう、すごいことやったんやで

「リラックスして試合に臨めた」と中野選手

激闘となった日本シリーズ。第7戦までもつれる拮抗した戦いとなった。

ーー中野選手は特に印象に残っている試合は?

中野選手:
第4戦のサヨナラ勝ちの試合です。自分にチャンスの場面で回ってきたんで、「自分で決めてやろう」という気持ちがあった中で、申告敬遠されました。自分で決めたかった気持ちもあったんですけど、あとは後ろのバッターに任せよう思い、(大山選手のサヨナラタイムリーヒットで)決まった時はうれしかったです

 糸井さんが印象に残った試合として、「第1戦。村上投手が自分の投球した。シーズン中もすごかったですけど、よりすごい球を投げていました」と話した。

ーー村上投手自身で振り返ってみるとどう?

村上投手:
相手がオリックス・山本投手で、実力もすごいですし 日本のエースなので、自分は挑戦者っていうつもりで行きました。そこまで緊張することはなく投げることができました。今(テレビ生出演)の方が緊張しています

 村上投手は緊張すると顔が赤くなるという情報があったのだが、確かに今、顔が赤くなっている。

ーー2人とも初めての日本シリーズで、独特の雰囲気で、緊張感はあった?

中野選手:
いや正直自分は全くなかったですね。前日から緊張せず、いつも通り、シーズン通りという形で、リラックスして試合に臨めたかなとか思います。

糸井さん:
中野選手はWBCも経験していますしね。村上投手は眠れなかったんじゃない?

村上投手:
ぐっすり眠れました(笑)。

ーー2020年のドラフト同期ということで、同期だから知っているお互いのエピソードは?

中野選手:
(村上投手は)マウンドでは落ち着いているように見えますけど、結構ふざけたり、裏でちょっかい出したりとかしてるシーンをよく見かけます。意外とマウンドに上がっている姿と違うなと思っています。小幡であったり、森下であったり、その辺にちょっかい出して仲良くしてるのをよく見ます。かわいいなと思います

村上投手:
(中野選手は)プレイそのままです。素でやっている感じです。プレイ中も、今も一緒です

2人に恩師からのサプライズメッセージ

中野選手をよく知る、恩師・日大山形高校の荒木準也監督からメッセージが届いた。

中野選手の恩師 日大山形高校 荒木準也監督:
中野をキャプテンにしたんですけども、怒りづらいタイプのキャプテンなんです。顔も“いい顔”してるし。高校時代、中野にどうのこうのということを言った記憶はあまりないですね。 拓夢、日本一おめでとうございます。本当に僕自身も教え子として誇りに思っていますし、なおかつ1年ごとに成長している姿を見させていただいて、すごいプロ野球選手として洗練されてきたなって思っております。これからもその強い体を持って、“一流の脇役”を目指して、頑張ってもらいたいと思っています。本当に日本一おめでとうございます

中野選手:
こういう風に褒めていただけることはなかなかなかったので、うれしいです。(褒めるのを) あまり直接は聞いたことないので、本当に染みました

村上投手にも、恩師・智弁学園高校の小坂将商監督からメッセージが届いている。

村上投手の恩師 智弁学園高校 小坂将商監督:
頌樹、日本一おめでとうございます。 2年生の秋ですね、 近畿大会で大阪桐蔭に負けて、取材の依頼が来て、その時に対応がちょっと悪かったので、本人にきつく怒りました。彼自身も絶対覚えてると思います。バス降りてグラウンドに出てきたら、一人だけめちゃめちゃ怒りました。 ことしのジャイアンツ戦で7回まで完璧に抑えて、あそこでへばってる村上頌樹を見て、まだまだだなと思ったんですけど、まあ10勝できたのは素晴らしいことだと思うんで、“天狗”にならず、しっかりやってください

村上投手:
高校の監督がやっぱり一番の恩師なので、本当にお世話になったので、ありがたいです。(怒られたのは)覚えています

野球教室で「近本選手の隣、誰?」

村上投手の出身は淡路島で、阪神では近本選手と同じで、近本選手と一緒に淡路島で野球教室を開いたとき、教室に参加した子供から「近本選手の隣、誰?」と言われてしまい、悔しい思いをしたというそうだ。

村上投手:
覚えています。 その時はまあ一応「村上やで」って言ったんですけど、ちょっと悔しかったですね。淡路島といえば近本さんがトップなので、負けたくないなという気持ちはあって、見返してやろうと思いました

糸井さん:
やっぱり無名な選手と有名な選手で行くと、野球教室の最後のサイン会とかで並んでくれないんです。ことしの村上投手の活躍で、(「誰?」と言った)その子、残念がっているんじゃないですか

岡田監督「投手なら村上 野手なら近本・中野」

岡田監督が今日の会見で1年間のMVPを発表した。ビールかけの時は「MVPは全員だ」と言っていたが、きょう語ったのは…「投手なら村上。村上なしでは日本一はなかった」 「野手なら近本・中野。相手にとって一番嫌な1・2番コンビ」 ということだ。

中野選手:
(岡田監督がそんな発言をしていたとは)分からなかったです。自分は本当に近本さんかなと思っていたので、自分の名前がまさかあがるとは思っていなかったです。(1年間フル出場で)自分のできる役割はできたかなと思っています

村上投手:
めちゃめちゃうれしいですね。

(関西テレビ「newsランナー」 2023年11月6日放送)

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