和歌山市でてんかんによる発作で車を暴走させ、20代の女性を死亡させたなどとして、危険運転致死傷の罪に問われている女の初公判が開かれ、女は無罪を主張しました。

女は危険運転致死の疑いで警察に逮捕されたものの、「てんかんの発作が起きたわけではない」と一貫して容疑を否認し、嫌疑不十分で一度は不起訴になりました。

その後、遺族が検察審査会に申し立て、再捜査を経て起訴されていました。


■被害者の父「絶望感でどん底で」いまも遺骨は埋葬せず 母「大切な娘を亡くしたことは一生消えない」

竹田汐里さん(当時22歳)。いつものように原付バイクでアルバイトに向かう途中、突然命を奪われました。

【汐里さんの父・竹田正義さん(62)】「事故の直前に彼氏もできて、本当に未来が明るかった。娘たちの人生を祝福したかった。それが当たり前だと思っていたから。突然のことで、絶望感でどん底でたまりませんでした」

母・典子さんは、いまも汐里さんの分の食事を作り続けています。

【汐里さんの母・典子さん】「ご飯が大好きな子で。和食が結構好きかな…お腹空いてるやろうなと思って」

そして遺骨は、家で大切に保管されています。

【母・典子さん】「娘が亡くなったのに何ら裁きを受けていない。そんな状態で娘を一人ぼっちで埋葬するということはちょっと考えられなくて。大切な娘を亡くしたことは一生消えないことだし、被告人にもそれは重く受け止めてほしい」

■てんかんの持病抱え…一貫して否認し不起訴に

2021年、和歌山市で車など7台が絡む事故があり、汐里さんは対向車線から飛び出してきた車に衝突され、頭を強く打って死亡しました。

運転していたのは、てんかんの持病を抱えていた西馬淳子被告(56)。警察は意識を失う恐れがある状態で車を運転していたとして危険運転致死の疑いで逮捕しました。

しかし、西馬被告は「てんかんの発作が起きたわけではない」と一貫して容疑を否認し、和歌山地検は2022年8月、嫌疑不十分で不起訴にしました。

■父が検察審査会に審査申し立て「不起訴不当」議決・再捜査経て被告を起訴

これに納得できなかった父の正義さんは不起訴処分を不服として、検察審査会に審査を申し立てます。

【父・正義さん(2022年9月)】「娘の原付は信号無視はしていない、スピードは出していないのに突然対向から猛スピードの車がぶっ飛んできて即死しました。なぜ、過失運転致死傷罪にも問えないのか。不起訴なのか」

検察審査会は「不起訴不当」と議決。再捜査した和歌山地検はおととし7月、てんかんによる発作で意識を失う恐れがありながら車を運転して暴走し、汐里さんを死亡させたなどとして西馬被告を危険運転致死傷の罪で起訴しました。

■父・正義さんも裁判に参加する中 被告は無罪を主張「発作が起きたわけではない」

きょう=6月1日の初公判、正義さんは被害者参加制度を利用して裁判に参加するため、裁判所を訪れました。

【父・正義さん】「きょうは万感の思いで公判に臨みます。目を合わすことができるのか。一つ一つの被告の行動を確認させていただきます」

西馬被告は傍聴席に一礼し、証言台へと向かいましたが、正義さんと目を合わせることはありませんでした。

また西馬被告は起訴内容について、「事故を起こしたことは間違いない」としたものの「てんかんの発作が起きたわけではないです。運転中も意識障害が起こっているとは思っていませんでした」などと無罪を主張。

■検察側「事故の直後に一緒に車に乗っていた姉に『てんかんよ』」主張

これに対し検察側は、「西馬被告は、てんかんのため主治医から車の運転を禁止されていて、事故の直後には、一緒に車に乗っていた姉に対し『てんかんよ』と答えた」と主張しました。

裁判では当時の状況を確認するため、被告の車のドライブレコーダーの映像が流されました。

その際、西馬被告は顔を赤らめ、手で涙をぬぐっていました。

【父・正義さん】「こっちをあえて見ないように…それと一時泣いたようなふりもあったが、実際、自分も泣きたいです」

突然奪われた幸せな日常。真相は明らかにされるのか。裁判は、9月に結審する予定です。

(関西テレビ「newsランナー」2026年6月1日放送)

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