自民2敗だが野党が勝ったわけでもない

 
 
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衆院の2つの補選、大方の予想通り自民党は2連敗。
想定内なのか、参院選に向け暗雲なのか。

無所属で立憲会派の江田憲司さんが、「確かに自民二敗だが野党が勝ったわけでもない」と謙虚に分析していた。

また統一地方選の結果について国民民主の玉木代表が、「わが党が減った、立憲が増えたということよりも、旧民主で足して減っていることが本質的問題だ」と、こちらも冷静だった。

野党が謙虚に、冷静になれば強くなる。

消費増税をやめると野党は困る

 
 

こうした中、安倍首相側近の自民党萩生田幹事長代行の「消費増税やめてダブル」発言で、永田町に激震が走った。

立憲民主の枝野代表は「受けて立つ」と強気の姿勢を見せたが、いらだっているように見えたのは気のせいか。

野党は消費増税反対で参院選を戦いたかったのに、自民にいや消費増税やめましたから、と言われるのは正直困る。
けんかにならないからだ。

あるベテランの自民党議員の
「ダブルはあるよ。だって相手の嫌なことすりゃいいんだから」
という言葉は本質をついている。

いくさに大義はいらない

 
 

野党にとってもう一つの「嫌なこと」は、参院の選挙区調整も進んでないのに衆院などとても間に合わない、ということだ。一度けんか別れした人たちが元の鞘に収まるのは難しい。
だからみな謙虚で冷静にならざるを得ない。

国民の玉木さんは「このままでは不戦敗になる」と心配していた。

問題は解散の理由である消費増税の延期に大義があるのかということだ。

 
 

でも選挙はいくさ。
勝つか負けるか、死ぬか生きるかだ。
いくさに大義はいらない。
相手の嫌がることをして勝つだけだ。
つまり消費増税やめて解散、の可能性は高いのではないか。

【執筆:フジテレビ 解説委員 平井文夫】
【漫画:横川寛人】

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平井文夫
平井文夫

言わねばならぬことを言う。神は細部に宿る。
フジテレビ客員解説委員。1959年長崎市生まれ。82年フジテレビ入社。ワシントン特派員、編集長、政治部長、専任局長、「新報道2001」キャスター等を経て報道局上席解説委員に。2024年8月に退社。