(※この記事に虫の写真はありません)

虫が苦手な人にとって、蒸し暑くなってきたこの時期は憂鬱(ゆううつ)ではないだろうか。特に筆者は、部屋の中でゴキブリに遭遇することは何としてでも避けたいと思っている。

そこで毎年設置しているのが置き型の駆除エサ剤。使っているのは、アース製薬から販売されている「ブラックキャップ」(防除用医薬部外品)だ。効果のかいあってか、部屋で一度もゴキブリを見たことがない。

玄関の近くに設置したブラックキャップ(編集部撮影)
玄関の近くに設置したブラックキャップ(編集部撮影)
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ところが、玄関に屋外用のブラックキャップを置いていたのを見た友人に「餌を食べさせる仕掛けになっているのなら、ゴキブリを引き寄せてしまうのでは?逆効果じゃないの?」と言われたのだ。

たしかに、考えてみればゴキブリを見たことがないにもかかわらずたくさん置いていると、本来引き寄せないはずのゴキブリも寄ってきてしまいそうな気がする。

ネットで「ブラックキャップ」について調べると、“逆効果”というワードと一緒に検索されることも多いようなので、似たような心配をしている人もいるようだ。

集団で生息するゴキブリ

なおブラックキャップのパッケージには、「巣ごと駆除」と書いてある。そもそもゴキブリの“巣”とは何なのだろうか。もし巣が部屋の中にあれば、大量の死骸を一気に見ることになる…?

そんなことを想像し、アース製薬に不安をぶつけてみた。

ブラックキャップの仕組み
ブラックキャップの仕組み

――ブラックキャップはゴキブリのどのような生態に着目して駆除する商品なの?

ゴキブリは集合フェロモンにより、水場や餌場の近くに集団で生息することが多く、この場所を一般的に「巣」と呼んでいます。

ブラックキャップの中の薬剤を食べたゴキブリは、徐々に効果が現れて死んでいきますので、薬剤を食べたゴキブリに効くだけではなく、薬剤を食べたゴキブリが巣に帰ることで、そのフンや死骸を食べたゴキブリにも効果があらわれます。

冷蔵庫と家具のすき間に(提供:アース製薬)
冷蔵庫と家具のすき間に(提供:アース製薬)

――「ごきぶりホイホイ」のような捕獲器もあるが、どうしてブラックキャップのような製品が発売された?

ゴキブリの死骸を見たくない、でも巣ごと駆除したいというお客様に向けた製品です。

家に誘引することは考えにくい

――ゴキブリを外から家にひきつけてしまい、逆効果にならない?

誘引されるのは遠くても、薬剤から半径1~2メートル程度です。ブラックキャップを設置することで、ゴキブリを家に誘引してしまうことは考えにくいです。

侵入しそうな窓などの近くに(提供:アース製薬)
侵入しそうな窓などの近くに(提供:アース製薬)

――では、餌を食べたゴキブリの死骸が大量に見つかることはないの?

ブラックキャップの中の駆除エサ剤を食べたゴキブリは、普段生息している「巣」の中で死ぬことが多く、目につくことは少ないと考えられます。徐々に効果が現れて駆除されますので、同じ場所に大量の死骸が見つかることなども考えにくいです。

また屋外に設置した場合は、ほとんどが屋外で駆除されます。

見たことがなくても予防におすすめ

――ゴキブリを見たことがない家には、対策として不向き?

ゴキブリは夜行性で、暗くて暖かく狭い場所を好みます。大部分のゴキブリは普段は隠れているため、どこにいるのかわかりにくいのです。

また、ベランダ、玄関、窓、小さな隙間など、外からも侵入しますので、清潔にしている家でもゴキブリを見かけることはありますので、見たことがなくても、予防としてご使用いただくことをおすすめします。

窓の近くに(提供:アース製薬)
窓の近くに(提供:アース製薬)

――効果はどれくらい持続するの?

設置後約1年間効果がありますが、使用環境によっては、ほこりを被ったり吸湿したりして、誘引性や摂食性が悪くなることも考えられます。その場合は1年以内でも交換していただきたいです。

室外機の下に(提供:アース製薬)
室外機の下に(提供:アース製薬)

――効果的な置き方や間違った置き方を教えて。

家の中でしたら、台所の隅、流しの下、冷蔵庫、鉢植えのそばなどの物陰で湿った場所に設置していただくと効果的です。

家の外でしたら、玄関付近や、エアコンの室外機のそば、ベランダ、窓際、プランターの横などに置くと効果的です。

屋内用と屋外用がございます。家の中で使用される場合は、水がかからない場所に置いてください。屋外用は水に溶けにくい耐水処方で雨に強く、排水・防水機能付き容器ですので、屋外で使用する場合は屋外用を使用してください。

ゴキブリ対策のポイント

――最後に、ゴキブリを寄せ付けない部屋にするためのポイントは?

一般家庭によく見られるクロゴキブリに対して、家でできる対策です。

ゴキブリが潜みやすいのは、ジメジメとしていて湿気があり、暖かく、陽の当たらない狭い場所で、餌のあるところです。また、換気口、網戸やドアの隙間、排水パイプなど、すき間から侵入してきますので、このような侵入経路となる隙間があったり、ベランダに植木鉢がある家なども注意が必要です。

そのため、玄関や窓を開けっ放しにせず、網戸の隙間は隙間テープなどできちんと処理してください。

家の中では、食品や汚れた食器を夜まで放置したり、食べこぼしを放置、冷蔵庫の裏やコンロの下にごみや調理くずがある家は要注意です。お菓子のかけら1つであってもご馳走のため、食べこぼしを放置せず、家の中を清潔に保つことが大切です。

また、キッチンのシンクやお風呂場にいつも水や水滴がある状態はゴキブリにとって居心地の良い環境となり注意が必要です。

ゴキブリは雑食性なので、食品だけでなく紙、木片、皮革類なども食べることもあります。宅配便や引っ越しのダンボールにゴキブリの卵が付いて、放置した段ボールで孵化してしまうこともあるので、すぐに処分することをおすすめします。

提供:アース製薬
提供:アース製薬

担当者によると、ゴキブリをまとめて駆除するには「ゼロノナイトG ゴキブリ・トコジラミ用 くん煙剤 6~8畳用」(第2類医薬品)、お部屋からゴキブリを追い出しゴキブリのいない空間を作りたい人(定着阻止による忌避効果)には、「マモルーム ゴキブリ用」(防除用医薬部外品)もおすすめとのこと。

普段は隠れていてどこにいるのかわからない…。置き型の駆除エサ剤は、そんなゴキブリの対策として設置しても良いかもしれない。

(イラスト:さいとうひさし)

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プライムオンライン編集部
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FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。