春休みに旅行へ出かけた人もいるかもしれないが、最近ではSNSなどで「トコジラミ」が話題になり、発見の報告が相次いでいる。
そもそも「トコジラミ」という名前だが、シラミやダニの仲間ではなくカメムシの仲間。幼虫~成虫(雌・雄)まで吸血をし、体長は幼虫で1~4mm程度の大きさで乳白色、成虫は5~8mm程度の大きさで赤褐色だ。1日で3~6個、生涯で約500個も産卵することから、繁殖力が高いとされる。
そんな中、アース製薬のアカウント(@EarthOfficialJP)がこのような内容を発信した。
トコジラミに刺されないためには外出前に虫よけスプレーのサラテクトがおすすめです。
腕・足などお肌の露出部分には約15cmの距離からスプレーし、顔・首筋には手のひらにスプレーしてお肌にぬってください。
この投稿には「今年は虫除けスプレー必須になりそう…」「心強すぎる」「トコジラミパニックの日本を救ってくれ」などのコメントが寄せられ、2万件を超える「いいね」がついている(4月6日現在)。トコジラミの目撃情報が散見され、不安を抱えていた人も多かったようだ。
アース製薬によると、報道が増え始めた2023年秋以降トコジラミの問い合わせ件数が増え、2023年は前の年の約3倍となる975件もの相談が寄せられたという。インバウンドで人の往来が増えていることなども、話題が増えた要因だと考えている。
なお同社は、過去にトコジラミ対策のおすすめアイテムや旅行先でのチェックポイントなどを発信し、こちらも大きな反響を呼んでいた。

「従来の殺虫剤は効かない」とも言われるトコジラミ。もし刺されるとどんな症状が出るのだろうか。また旅行中の予防や帰ってきた際に自宅に持ち込まないためにはどうしたらいいのか。気になることをアース製薬に聞いた。
トコジラミが刺すのは首などの肌の露出部分
――まず、トコジラミに刺されるとどうなるの?
トコジラミは細い管状の口を持っており、それを人の皮膚に突き刺して吸血します。吸血するときに、血液が固まらないよう唾液を注入しますが、その唾液にアレルギー物質が含まれているため、刺されると激しいかゆみや腫れ、発赤を生じ、ひどいかゆみを伴います。
トコジラミは手足や首などの肌が露出している部分を刺します。かゆみや腫れなどが出るまでの時間は個人差があり、刺されてから数日後に症状が出ることや、刺される数が多くなりすぎるとかゆみを感じなくなることがあります。
また、吸血したトコジラミのフンには血が混ざっており、部屋の汚れの原因にもなります。
旅行先でのチェックポイントと対策
――海外旅行で気をつけなければいけないのはどんなこと?
旅行先や出張先でホテルに到着したら隙間などをチェックし、痕跡(吸血した大部分をフンとして出すので、血が混ざった赤いフンの汚れ跡が潜伏場所付近に付着)がないか確認してください。

――トコジラミはどんな場所にいるのか、チェックポイントを教えて。
トコジラミはベッド・床・壁などの隙間、ダンボールなどに隠れており、好きな場所は「暗くて血を吸いに行きやすい場所」「亀裂などの狭くて暗い場所」「布が重なった部分、継ぎ目」「暖かい場所」です。
――日本のホテルや旅館などに泊まる際にも気をつけるべきなの?
インバウンドで人の往来が増えている他、海外の荷物に紛れ込んだり、様々なルートで日本に持ち込まれる可能性があります。

――SNSで紹介していた防虫スプレー『サラテクト』はどんなものなの?
『サラテクト』はトコジラミを忌避する効果がありますので、肌が露出している部分にスプレーし、塗りムラがないよう塗り広げてください。外出の際、持ち運びに便利な60mLサイズは機内持ち込みも可能です。
トコジラミ対策の虫よけスプレーを選ぶ際には、有効成分ディート配合の虫よけ剤で、商品パッケージの裏面の対象害虫欄に「トコジラミ」の記載があるものをお選びください。
スーパートコジラミも駆除できる有効成分とは
――最近は「殺虫剤が効かない」トコジラミもいるというのは本当?
近年は従来のピレスロイド系の殺虫剤に耐性を持つ「スーパートコジラミ」の存在が問題視されており、駆除がより難しくなっています。

――トコジラミを駆除するのに有効な成分はあるの?
スーパートコジラミまで駆除できる、有効成分「テネベナール(一般名:ブロフラニリド)」の記載のある商品の使用をおすすめします。ドラッグストアやアマゾンなどのECサイトでお買い求めいただけます。

――では、旅行後に『ゼロノナイトG』をおすすめしていたのは、この成分が入っているから?
はい、一般消費者向けでは『ゼロノナイトG ゴキブリ・トコジラミ用 6~8畳用』(第2類医薬品)は「スーパートコジラミ」に有効な商品です。処理して部屋のすみずみまでしっかりと薬剤が広がり、駆除することはもちろん、発生予防にもつながります。
――住環境での繁殖を防ぐためにできることはある?
繁殖力が高いため、家に持ち帰ってしまうと駆除が大変です。自宅では外から持ち込まないように、帰ってきたらかばんや衣類に付着していないか確認しましょう。もし付着していた場合は駆除をお願いいたします。
トコジラミに刺されないためには外出前に虫よけスプレーのサラテクトがおすすめです。
— アース製薬🌏 (@EarthOfficialJP) March 10, 2024
腕・足などお肌の露出部分には約15cmの距離からスプレーし、顔・首筋には手のひらにスプレーしてお肌にぬってください。 https://t.co/o1oYCFYlmx pic.twitter.com/RRNapvLxkg
繁殖力が高いというトコジラミ。自宅に持ち込んでしまわないか不安な人は、この投稿を参考に予防や対策をしてほしい。