熊本県内のバスや熊本電鉄で運賃の支払い方法が2025年度から変わる見通しだ。クレジットカード決済が使えるようになる一方で、「Suica」など全国交通系ICカードが利用できなくなる。

交通系ICカード決済の更新に約12億円

バスや熊本電鉄の運賃は、現金やくまモンのICカードのほか、2016年3月から全国交通系ICカードでも支払いが可能となっている。しかし、運賃の支払いに関する機器の契約が2024年度末に満了となるため、更新が必要で、同様の支払い方法を維持するためには約12億円の更新費用が必要となる。

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熊本市によると、熊本県内の交通事業者5社と熊本県・熊本市が協議した結果、更新費用を半分の約6億7000万円に抑え、クレジットカードとQRコードでの決済が可能な機器を導入することで合意したということだ。これにより「Suica」など全国交通系ICカードでの支払いができなくなる。

この決済方法の変更に全国交通系ICカードの利用者は「困ります。Suicaがいいです。駅で買い物をするとポイントがあるので」や「大変ですね。別のカードを使います」と話した。

大西熊本市長「国の支援も検討したい」

この合意を受け、交通事業者5社は、熊本県と熊本市に導入費用の支援を求める要望書を提出した。

熊本市・高田晋共同経営推進室長:
一部ご不便をかけることが最初のうちはあるかもしれないが、十分対応できるのではないかと考えている

2024年12月中旬をめどに機器の入れ替えを始める方針で、2025年度から新たな決済システムを導入するということだ。

大西一史熊本市長:
地域のユーザーの皆さんの利便性を削ってでも路線を維持する経費に充てないといけないというのはあってはならないこと。国にも支援を求めることも検討したい

全国交通系IC決済の廃止は全国で初

更新期間中は現金かくまモンのICカードでの支払いのみとなる。全国交通系ICカードの決済システムを導入した後に取りやめるのは、全国の公共交通機関で初めてとみられている。

熊本市は、更新費用の6分の1を助成する補正予算案を、6月4日に開会する市議会に提出する方針だ。熊本市電についても2026年度から同様に支払い方法が変更される予定だ。

(テレビ熊本)

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