応急処置の手順とポイント
このような症状があった場合、段階に応じた対応が必要となる。次の(1)~(3)の手順に従ってすぐに応急処置をしてほしい。

(1)意識があるか?
ある
→クーラーが効いた室内や車内などの涼しい場所へ移動する。屋外で、近くにそのような場所がない場合には、風通しのよい日かげに移動し、安静に。
→衣服を緩めて体の熱を放出させる。そして、氷枕や保冷剤で両側の首筋や脇、足の付け根などを冷やす。皮膚に水をかけて、うちわや扇子などであおぐことでも体を冷やすことができる。ない場合はタオルや厚紙などで代用を。

ない
→救急車を呼ぶ。救急車が到着するまでの間に、上記の応急処置を始める。救急車を待っている間にも、現場で応急処置をすることで症状の悪化を防げる。この時、呼びかけの反応が悪い場合には無理に水を飲ませてはいけない。
(2)水分を自力で摂取できるか?
できる
→水分・塩分を補給する。大量に汗をかいている場合は、塩分・糖分を一緒に補給できるスポーツドリンクや食塩水(1Lに対して1~2gの食塩を加えたもの)がよい。カフェインやアルコールはNG!
できない
→医療機関へ。本人が倒れた時の状況知っている人が付き添って発症時の様子を伝える。なお、おう吐の症状が出ている場合、水分が気道に入る危険性があるので、むりやり飲ませない。
(3)応急処置を行って症状が良くなったか?
良くなった
→そのまま安静にして十分に休息を取り、回復したら帰宅しよう。
良くならない
→医療機関へ。やはり、本人が倒れた時の状況を知っている人が付き添って発症時の様子を伝える。
一緒に過ごす人とシェアを
今回紹介した症状や応急処置の方法を、家族や友人、チームメイトなど、日々一緒に過ごす人たちとシェアできればより安心だ。
また、熱中症の危険をともなう活動をする際は、いざというときに備えて、緊急連絡先や医療機関の所在地・連絡先などを事前に調べておいてほしい。
(日本気象協会推進「熱中症ゼロへ」プロジェクト より)
■日本気象協会推進「熱中症ゼロへ」サイトはこちら
https://www.netsuzero.jp/
(イラスト=さいとうひさし)