札幌市中央区の「中島公園」周辺では、さまざまな再開発が進んでいる。
そのビルのひとつの概要が明らかになった。
街並みはどう変わるのか。
「中島公園」エリアで進む大規模再開発
「中島公園」のすぐそばに建設中の再開発ビル「ライラックスクエア」。

地上14階建てで2025年6月の完成予定。
現在4割ほど工事が進んでいる。
1階から3階はフードコートなどが入る予定で、テラスからは眼下を流れる「豊平川」の河川敷が一望できる。

「フードコートで食事を買って、テラスで食べることができる。川が広がっているし、花火大会の際は真正面がその場所」(アクサREIM 早藤 嘉彦 社長)
9階から最上階までは北海道で初めて外資系の「インターコンチネンタル」ブランドの高級ホテル。

中層階にはオフィスが入る。

非常用の発電設備や燃料などを備え、インフラが寸断された状態でも14日間運営できることを目指している。

1階から3階のフードコートは誰でも利用でき、「中島公園」や「豊平川」の景色とともにランチを楽しむことができる。
「中島公園」は市民の憩いの場
札幌市中心部とは思えぬほど緑が多い「中島公園」。
市民の憩いの場として親しまれながらも、これまで周辺に集客施設が少ないという声も。
「自然が豊かで、歩き回れるのでよく来ます」(札幌市民)
「環境はいいですね、繁華街のススキノにもすぐに行ける場所ですし。大きなホテルも建設中なので楽しみです。この辺りの人の流れも変わってくると思う」(札幌市民)
「中島公園」周辺では再開発が加速している。
北海道民や観光客に愛されつつ6年前に閉館した「キリンビール園本館中島公園店」。
その跡地に、2024年7月外資系ホテルの「コートヤード・バイ・マリオット札幌」が開業する。
全321室で宿泊者専用のスポーツジムや大浴場が。
宿泊者以外も利用できるレストランやカフェも予定されている。
ススキノエリアにも新ホテル
周辺の「ススキノ」エリアにも新しいホテルが。
バブルの象徴としてにぎわい、2023年に閉館したダンスクラブ「キングムー」跡地には、14階建てで150室前後のホテルが建設中だ。
かつて利用されていた「キングムー」の内装の一部を再利用する。
北海道日本ハムファイターズの球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」で話題となった「日本エスコン」が手がけ、2026年に開業の予定だ。
“MICE施設”建設も検討
変わる「中島公園」周辺、さらに大きな構想も。
自然の景観を生かした“MICE施設”の建設が検討されている。
MICEとは大規模な集客が見込まれる国際会議や展示会などの総称で、札幌市はそのための施設を「中島公園」に建設しようと計画している。
これまで使用されてきた市の施設は、最大2500人を収容できる「札幌コンベンションセンター」や「札幌ドーム」が中心だった。
なぜ、「中島公園」にMICE施設を新たに作ろうというのか?
「アクセスの良さ。周辺には新しいホテルもでき始めている。中島公園は古くから札幌の迎賓機能を備えた自然豊かな場所。『豊平館』や『Kitara』(コンサートホール)など独自機能を持った施設と、あわせて活用できる魅力的な場所」(札幌市 観光・MICE推進課 角谷 俊太郎 担当課長)
国際会議を誘致する上で「中島公園」の立地と、緑あふれる景観は有利だというのだ。
「“アフターMICE”が大事。会議の後に『ススキノ』などにでかけ、飲食やショッピングを楽しんでもらう。『中島公園』と『ススキノ』を新たに結ぶような施設になれば」(角谷 担当課長)
「ススキノ」という繁華街に隣接することも魅力だという。
札幌市は2024年度中にMICE施設の機能など、概要を取りまとめる予定だ。

大きく変わる「中島公園」周辺に注目だ。