月9ドラマ「君が心をくれたから」で “雨ちゃんの家”として注目された、長崎市東山手地区の洋館「東山手甲十三番館」は、今でも聖地巡礼者が途絶えることはない。2024年で130年を迎える洋館は、ドラマで登場したマーガレットがいま満開となっている。ゴールデンウィークのおすすめスポットの一つだ。
“君ここ”の懐かしさ
ドラマの最終回からひと月がたった4月下旬。長崎市東山手にある「東山手甲十三番館」に足を運ぶと、洋館の天井に飾っているドラマのシンボルとなった“赤い傘”が出迎えてくれた。
館内で流れるBGMはドラマのサントラだ。ドラマを見ていた人にとっては思わず「懐かしい」気持ちになる。洋館を管理・運営するNPO法人「長崎の風」の黒田雄彦さんによると、スタッフの発案だという。
![赤い傘はスタッフの発案と話す黒田雄彦さん](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/6/b/700mw/img_6b4b697ce07a405dfb71eef77e73f8ad2553306.jpg)
通常、春休みが終わった4月は閑散期だが、今でも来館者は平日でも1日100人を割ることはない。黒田さんは「訪れた人が思い思いに“君ここ”の世界に浸ってもらえたら」と、世界観を大事にしていると話す。目指しているのは“ただいまと言ってもらえる場所”だ。この日も平日にも関わらず、客足が途絶えることはなかった。
![雨ちゃんが座っていた場所で記念撮影をするのが定番](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/f/a/700mw/img_fa24665d626ad5d4cd30c5b8402eb261141505.jpg)
県外からやってきた観光客は「ドラマが終わって寂しいが、ここに雨ちゃんがいたんだと思うと感慨ひとしおだ」と話し、写真を撮っていた。
![ノートには「君ここ」「雨ちゃん」「太陽くん」の文字](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/4/8/700mw/img_48c17ba817bc2d6956a46fbc34f01bf02604282.jpg)
館内に置いてあるノートは今でも「雨ちゃん」「太陽くん」「君ここ」の文字がつづられている。ドラマが終わっても“君ここ”の余韻は静かに続いている。
![ドラマで使われた満開のマーガレットが迎えてくれる](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/7/7/700mw/img_774e1dc27afd2ea37c0eb7abd0c389f04625999.jpg)
テラスではドラマで使われたマーガレットが咲き誇っている。ここに来ると思わず「ただいま」と言わずにはいられない。時間がゆっくり流れ、懐かしさを感じる場所だ。
季節の花が咲く130才の洋館
明治中期に建てられた東山手甲十三番館は2024年で130年を迎える。国指定登録有形文化財でかつてはフランス領事館でもあり、洋館なのに瓦屋根という和洋折衷の造りが特徴だ。
![入り口にある名物のハートリーフは人気撮影スポット](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/3/0/700mw/img_30aa791171b34e73e5e9614688d78aef6731511.jpg)
2011年にNPO法人「長崎の風」が社会実験として管理・運営を始めた。開館日は朝10時に窓を開けて建物に風を通し、庭の掃除や草花の手入れを欠かさない。
![樹齢90年のカナリヤシが迎えてくれる](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/b/d/700mw/img_bd03e6e6bd9b2e59ec5f49e2405f65f7475058.jpg)
洋館には空の青と緑がよく映える。樹齢90年となる入り口のカナリヤシがシンボルで、庭には季節ごとの花を楽しめる。今は長崎のかんきつ「ゆうこう」が真っ白い花を咲かせ、甘い香りを漂わせている。
![長崎のかんきつ「ゆうこう」が満開](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/4/6/700mw/img_468279df42a3b18f148c1f15265ce56a2315021.jpg)
130年の節目に「雨ちゃんの家」に選んでもらった洋館。黒田さんは「何より建物、ここに住んでいた人が喜んでいる」と話す。11月9日と10日は誕生パーティーが予定されている。長崎市民と一緒に建物の誕生を祝い、洋館に足を運ぶきっかけを作りたいとしている。
![2階から庭を見下ろす](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/a/1/700mw/img_a16a790ca66ab4516ed120185a4731556176409.jpg)
黒田さんたちは洋館の使い方を限定していない。この日は館内では絵画が展示され、ギャラリーとなっていた。
![館内はギャラリーとしても使用できる](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/8/d/700mw/img_8d3deaf02062ebe16e930d90ad7799792844009.jpg)
その他、結婚式や成人式の前撮り、人前式、ライブや食事会なども行われている。5月4日、5日は音楽好きが集まっての「ガーデニングライブ」が予定されている。
「人が住んでいた洋館はぬくもりがある」と話す黒田さん。使い方を限定せずに多くの人に足を運んでもらい、さらに「雨ちゃんの家」になって全国的に注目されたことで、「余計大事にしないといけない」と心に誓ったいう。
夏に「君ここロケ地さるく」
君ここのドラマが終わり、大きな「イベント」はあえて控えてきたが、夏には思い出がよみがえる企画を予定している。「君ここロケ地さるく」だ。「さるく」とは長崎弁で「歩く」という意味。観光地を「さるく」“長崎さるく”は長崎観光の定番だ。さるく企画を行っている長崎の風では、夏に2回に分けて君ここのロケ地マップを巡る企画を決めた。
![ロケ地マップを巡る「君ここロケ地さるく」が](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/9/b/700mw/img_9b04de0ffbb6f9dfb2d6632e7d735f27349019.jpg)
「君ここロケ地さるく・前編」は7月24日(水)午前10時出発、集合場所は市民会館前。「後編」は9月25日(水)午前10時出発、集合場所は長崎県美術館。事前申し込みはなしでスタート15分前集合。1人から実施で参加料は500円だ。
![](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/f/6/700mw/img_f64c3b556a2084bb801fd0157c582d7e4116618.jpg)
ゴールデンウィークは君ここの世界にじっくり浸り、夏にはドラマの感動を思い出しながらロケ地を“さるく”。長崎が“君ここロス”を忘れさせてくれる。
東山手甲十三番館
住所 長崎市東山手町3-1
電話番号 095-829-1013
開館時間 午前10時~午後5時
休館日 月曜日(祝日の場合は翌日)
(テレビ長崎)