ちなみに“マジカル・アイ”シリーズは「平行法」で見ると浮き上がって見えるように作成されています。
――「交差法」のやり方も教えて。
「平行法」の時とは逆に、絵の左側を右目で、絵の右側を左目で、絵の手前でクロスさせる見方です。いわゆる寄り目の状態になります。
補助点を使った練習としては、2つの点の間に鉛筆などを持ってきて、鉛筆に焦点を合わせるように絵を見ると、絵が奥に沈むような感じの見方ができます。
「平行法」の見方と切り替わるので、どちらかの見方をできる人は、逆の見方をするのが難しい場合が多いでしょう。
――立体的に見るのが難しい、レベルの高い絵はある?
視差を生じさせる仕掛けが1つの絵はさほど難しくないですが、絵の中で複数あり、しかもその仕掛けの奥行き感が違う場合は難しくなります。
慣れている人は仕掛けから仕掛けにまで視線を動かしている間も目の使い方を自然に調整できますが、そうでない人は視線を動かした時、通常の見方に戻ってしまいます。そうなると切り替えが難しく、見づらいことがあるかもしれませんね。
アーティストの美麗な絵にも注目
――“マジカル・アイ”を出版した経緯を教えて。
ステレオグラムは1960年に論文が発表されて、一般的に知れ渡るようになります。当時は1枚絵ではなく、絵の一部にずれのある同じようなイラストを横に2枚並べて立体的に見えるようにする手法でした。
その後1990年の学会では、ステレオグラムを2枚絵ではなく、1枚絵で見る手法が新たに発表されました。1990年から1995年にかけてが、立体視の第1次ブームです。
2000年を過ぎると今度は視力回復に効用があるという話が出てきて、第2次ブームが起こります。その時出したのが、シリーズ1作目『どんどん目が良くなるマジカル・アイ』です。“マジカル・アイ”も第2次ブームから、かなり広まったように思います。
――“マジカル・アイ”シリーズが長年愛されてきた理由をどう考える?
絵を提供していただいているアーティストのお二人(ジーン・レビーンさんとゲイリー・プリッスターさん)の作品の素晴らしさに尽きます。
ステレオグラムの原理はよく知られていて、立体視の絵は作ろうと思えば誰でも作れます。しかし絵の魅力は作る人によって変わってしまうので、本当に個人のセンスによるところが大きいです。お二人の絵に引きつけられるファンが今でもたくさんいらっしゃることが、ここまでシリーズが続いてきた要因だと考えています。
絵に奥行きが出ると、その世界が広がっているように感じますよね。見えた時の感動を作り出せるのは、やはり素晴らしいことだと思います。
宇城編集長によると本の大きさも大事で、“マジカル・アイ”の絵が最適に見えるサイズで設計されているという。スマートフォンの画面で立体的に見えづらかった人は、本を手にとって試してみるのも良さそうだ。
