3日に発生した台湾の巨大地震により、沖縄本島地方に津波警報が発令され、地元住民と観光客が避難した。
20cmの津波が観測された石垣島では防災無線が鳴り響き、住民が高台へ避難。
与那国島や宮古島でも、同様に住民が避難する様子が見られた。

避難所に多くの住民

台湾で起きた巨大地震。
3日午前9時1分、沖縄本島地方などに津波警報が発令された。

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20cmの津波が観測された石垣島では、避難を呼びかける防災無線が島中に響いていた。

避難のためバンナ岳(高台)へと向かう道路では、渋滞が発生していた。
午前9時28分ごろには、住民が乗った車両が次々とバンナ岳に向かっていた。
避難をしたものの、なかなか車は動かなかった。
津波予想時刻を2分ほど過ぎた午前9時半ごろにも、車の長い列は途絶えなかった。

津波警報から1時間がたった午前10時過ぎ、小学校の避難所には住民たちの姿があった。

住民が「避難しているんですか?」と聞くと、係員が「避難所になっているので、4階に上がってもらえれば」と答えた。
避難所になっていた小学校の4階に上がると、すでに多くの住民が集まっていた。

避難した人の中には、ホテルからあわてて避難してきた観光客も多くいた。

観光客の女性は「めっちゃ怖い。場所がわからなくて、とりあえず逃げてきたら、地元の人に(避難所を)案内された」と話す。

名古屋から来た男性は「初めてです、こんなこと。テレビで津波をよく見るが、いざ自分がなると何もできない」とコメント。

那覇市にある高台の公園には、700人ほどの住民たちが詰めかけていた。
とても不安な様子で海を見つめている人もいた。

高台の公園には、授業中に避難してきた学生たちの姿があった。
保育園から避難してきた子どもたちの中には泣き出す子もいたため、子どもたちの不安をまぎらわすために散歩をしながら待機する様子も見られた。

手をつないで避難する子どもたち
手をつないで避難する子どもたち

一方、30cmの津波を観測した与那国島では、島の子どもたちが手をつないで避難する姿が見られた。

そして30cmの津波を観測した宮古島。
避難所となった学校では、子どもたちが不安そうに海を見つめていた。

航空機の離着陸のすべてが停止に

津波警報が発令される中、フェリーに乗っていた観光客が語ったのは、緊迫の瞬間。

警報中に船に乗っていた観光客は「すぐに引き返せない状況だったので、客たちもすごく不安は大きかった」と話す。

台湾で起きた巨大地震により、津波警報が発令された沖縄県。
フェリーに乗っていた観光客がSNSに投稿した映像を見ると、津波警報が出された直後、フェリーは離島に行くため、那覇の港を出港したばかりだった。

春休み中ということもあり、船内は観光客で満席だったという。

警報中に船に乗っていた観光客は「警報アラームが鳴って、一気に緊迫した状態になった。逃げ場がない状況だったので、不安はすごく大きかった」と話す。

フェリーはその後、すぐに港に折り返した。
春休み中で多くの観光客が訪れる沖縄では、混乱が広がった。

午前11時半ごろ、那覇空港の3階ロビーでは多くの人であふれていた。
不安そうに欠航情報の確認画面を見つめる多く人の姿があった。

一時、航空機の離着陸のすべてが停止になる事態になった。
午後1時ごろには、疲れて座り込んでいる観光客らの姿が多く見られた。

混乱は、羽田空港でもあった。

保安検査場の近くでは、振替を求める乗客で長蛇の列ができていた。
羽田空港では、午前中の沖縄行きの航空機が相次いで欠航となった。

沖縄に行く予定だった観光客の子どもは「ほんとはね、飛行機乗れたんだけど地震で乗れなかった。海に入りたかった」 とコメント。

沖縄に行く予定だった別の観光客は「きょうは国際通りでみんなで飲もうねと話してて、なくなりそう。1〜2カ月前から予定を立てていたのに、しおりまでつくって。悲しい」 と話した。

津波警報は、午前10時40分に注意報に切り替えられ、その後、正午に注意報も解除された。
これまでのところ、国内での被害は確認されていない。
(「イット!」 4月3日放送より)

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