2日、記者らの前で「6月の議会をもって、この職を辞そうと思っております。以上です」と突然の辞意表明を行った、静岡県の川勝平太知事。

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説明を求める記者の声に耳も貸さず、そのまま知事室へと戻ってしまいました。

事の発端となったのは、1日に静岡県庁の入庁式で行われた、新人職員への訓示の中の言葉です。

静岡県 川勝平太知事:
静岡県の県庁というのは別の言葉でいうと、シンクタンクです。毎日毎日、野菜を売ったり、あるいは牛の世話をしたり、あるいはものを作ったりとかいうことと違ってですね、基本的に皆さま方は頭脳・知性が高い方たちです。ですからそれを磨く必要がありますね。

「野菜を売ったり、牛の世話をしたりすることと違い、頭脳や知性が高い」と、“職業差別”とも取れるこの発言。

2日の会見では、「職業差別は皆無」であり、「メディアの報じ方に問題がある」と主張しましたが、会見開始から約14分後に突然の辞意表明を行いました。

県民からも憤りの声

知事の突然の辞意表明の後、「めざまし8」が取材したのは、静岡県内で乳牛の飼育を営む神尾至さんです。

過去には牛の品評会で、県知事賞を受賞したこともある神尾さんは、今回の“職業差別”ともとれる発言を、どう受け止めたのでしょうか?

K's南箱根牧場株式会社 神尾至さん:
今回の発言に関しては、ちょっと次元が違うのかなという受け止めです。
世の中に必要のない仕事なんていうのはないと思いますし、そこに携わる人たちの人格や仕事に対する姿勢を無視して、それがあたかも必要でないような発言に受け止めざるを得ないような内容でしたので。まぁ…怒りというよりも悲しいというか。本当に残念で仕方がないですね。即刻、辞職でもよろしいのかなというふうに、一県民の意見としてはそのように思います。

「言葉は大切」と説いたわずか4分後…

過去にも、知事の計画に賛同しない自民党県議らを「ごろつき」と称したり、選挙の応援演説で静岡・御殿場市に対して「コシヒカリしかない」と揶揄(やゆ)するなど、失言が絶えなかった川勝知事。

それを踏まえてだったのか、今回の不適切発言を行う4分前には、こんなことを新人たちに説いていました。

静岡県 川勝平太知事:
公務員ですから人の役に立つと、それから社会の役に立つということがとても大切です。
「職員の皆様方は立派だ」というふうに尊敬されていくことがとても大切で、言葉遣いはとても大切です。基本的に“言葉遣いは礼儀正しくする”ということがとても大切です。

「言葉遣いは大切」だと話した、数分後に発してしまった「不適切発言」。

フジテレビ解説委員 風間晋氏:
川勝知事は、訓示において原稿や見ていない。おそらくメモも持っていない、22分間自分の頭の中に入っていることだけでしゃべっていて。結局は、職業の差別的な考え方とか、その他についても、普段から頭の中にあるから出てきちゃうということなんだと思います。
(「めざまし8」4月3日放送より)