サッカーJ2・モンテディオ山形は、3月16日にホーム開幕戦を迎える。昨シーズンで現役を引退し、クラブコミュニケーターに就任した岡崎建哉さんに「今シーズンの山形」、「ここまでの3試合」、「注目選手」について話を聞く。

あだ名は「ケニー」インスタで人気

岡崎建哉さんは広島県出身で現在33歳だ。

クラブコミュニケーター就任式
クラブコミュニケーター就任式
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J1のガンバ大阪、J2の愛媛FCなどでプレーし、2019年から5シーズン山形に在籍、ボランチとして活躍した。そして、昨シーズンで現役を引退し、2024年1月、クラブコミュニケーターに就任した。具体的に、“クラブコミュニケーター”とはどのような仕事なのだろうか。

岡崎建哉さん:
自分の足で山形県内を走り回って、たくさんの方々の思いを知って、それを「発信していく」という役割があります

岡崎さんは「発信」に加えて、クラブや選手とサポーター、自治体など、いろいろな方々の思いを「つなぐ」という役割を担っている。

そんな岡崎さんが配信するインスタライブが人気だという。キャンプ期間中に選手のもとを訪れ、選手の素顔を発信していく企画を「ケニー」というあだ名で配信している。

岡崎建哉さん:
「ケニーが行く!」は、選手の素の部分をたくさんの人に知ってもらいたいという思いがあるので、リラックスした雰囲気で発信したいなという思いでやっています。なかなか見られない部分ではあると思うので

岡崎さんは市役所などでチケット販売を行うこともある
岡崎さんは市役所などでチケット販売を行うこともある

チケットの販売なども行う岡崎さんは、「選手の時はあまり知ることができなかった思いを知ることができるので、ありがたい」と話す。

山形の強み「両ウイング」生かす

今もすぐそばで選手たちを見ている岡崎さんに、今シーズンのここまでの試合について聞いた。開幕からのアウェー3連戦は、2勝1敗、勝ち点は6。開幕から連勝して上々のスタートに「いろんな形のパターンが出てきて、すごくいい傾向」だと見ている。

「次につながる戦いに」
「次につながる戦いに」

岡崎建哉さん:
3連勝したかったですけど、2勝1敗という数字は悪くはないし、次につながる戦いができるかなと思います

岡崎さんに、これまでの3試合で今シーズンの山形の特徴が出た、特に良かったシーンを選んでもらった。まずは、第2節の栃木SC戦の前半21分で、山形が同点に追いついたオウンゴールのシーン。モンテディオの特徴であるパスワークが生かされていた。

岡崎建哉さん:
1人・2人じゃなくて、3人・4人かかってゴールに向かっていく。オウンゴールにはなりましたが、ベストゴールと言っていいと思い選びました

これだけきれいにパスがつながりゴールに結びつくというのは、シーズンを通してもそれほどないのではないだろうかというパスワークだった。

岡崎建哉さん:
全員が“同じ絵”を見ながらプレーできていたので、こういうゴールにつながったと思います。自分に相手の誰が来ているかとか、どこが空いているかというのを、1人だけじゃなく、たくさんのメンバーがそれを見ていて、“同じ絵”という形で。ホントにベストゴールだったと思います

続いては、同じ栃木戦、前半36分の山形の3点目。ゴールキーパーの後藤雅明選手のロングフィードから一気に畳みかけたゴールだった。

岡崎建哉さん:
先ほどの得点とは違うパターンで、1本のパスから相手ゴールに向かう。1つのプレーにこだわっていないというところが、今年の強みかなと思っています

今シーズン、「両ウイング」が山形の強みと言われている中、相手チームもそこには対応しているが、それでもそこをかいくぐり得点できているのは「中に引き寄せ、両ウイングが生きるスペースを作っている」からだという。

中央を狙うことで、ウイングの選手が空く
中央を狙うことで、ウイングの選手が空く

岡崎建哉さん:
先ほどの1点目のシーンのように、中央を狙うことで、相手が中を締めるので、よりワイド、ウイングの選手が空くという部分が今年は多く見られているので、生きていると思う

前節の横浜FC戦は、その両ウイングの強みが消されてしまって、「さすがJ1から来たチームだな」という印象だった。この試合を岡崎さんはどう見たのだろうか。

岡崎建哉さん:
やっぱり相手も力のあるチームですし、自分たちの良さをすごく消してきてるゲームだなと思いました。「もう1本パスが通っていれば…」とか、そういうシーンもたくさんあったので、僕自身はすごい期待していますし、まだまだここからやっていってくれると思っています

“課題を修正していく力”も、山形の強みだ。

岡崎さんが選ぶ「注目の選手」

岡崎さんは「今シーズン注目の選手」に、開幕からスタメン出場している左サイドバックの“吉田泰授選手”を挙げた。

岡崎さんが今シーズン注目する選手
岡崎さんが今シーズン注目する選手

岡崎建哉さん:
昨シーズン大学を卒業して、多分苦労したと思うんですけど、その中で自分がやること、一日の練習も無駄にせず取り組んでいましたし、身体能力という部分ではチームでナンバーワンくらいの能力があると思うので、今年必ずチームのためにやってくれるんじゃないかなと思ってます

昨シーズン、吉田選手が試合に出ていない時間に岡崎さんは話をしていたという。その選手が開幕から出ているというのは、思いもひとしおだ。

岡崎建哉さん:
僕も昨シーズン、頑張る姿を見て泰授選手にたくさん励まされたので、今年こうしてグラウンドで活躍してくれていることがうれしいですし、山形のために戦ってくれるんじゃないかなと思います

いよいよ3月16日にホーム開幕戦を迎える。選手たちにとっても「ようやくホームで試合ができる」という思いは強い。

岡崎建哉さん:
長いキャンプが終わって、アウェー3連戦が終わって、やっとモンテのスタジアムでできるということで、選手たちは気合が入っていると思いますし、新しく来た選手はあの雰囲気を知らないので、熱気を感じてほしいなと思います

「必ず覆す」監督の“熱い気持ち”

昨シーズンは開幕2連勝の後に8連敗した。同じような状況にならないためにも、次のホーム開幕戦は非常に大事な1戦だ。この点について、渡邉晋監督は前節の敗戦の後、決意をあらわにした。

渡邉晋監督:
この次が大事。簡単に『切り替えろ、切り替えろ』と口では言うが、本気で切り替えられるのかが問われている。良い試しだと思う。必ずこれを覆してみせる

この言葉に、岡崎さんは「監督の“熱い気持ち”があふれているコメントだ」と感じたという。昨シーズンから8連敗したが、「今年のチームは違うぞ」というところを見せられるチャンス。「必ず選手がやってくれると思う」と期待を込めた。

先着で“着るモンチョ”プレゼント

最後にサポーターに向けてメッセージを送った。

サポーターに向けて熱いメッセージ
サポーターに向けて熱いメッセージ

岡崎建哉さん:
ヴァンフォーレ甲府はすごく手ごわい相手ですけど、選手は力強く戦ってくれると思います。ファン・サポーターの方も、スタジアムに足を運んで、選手の後押しをしてください。ぜひお願いします

ホーム開幕戦では、先着1万4000人に“着るモンチョ”がプレゼントされる。今の時期のスタジアムはまだ寒いので、これを着て体を温めて選手たちを応援しよう。16日午後1時からは、スタジアムで岡崎さんのトークショーも予定されている。今シーズンは岡崎さんの“トーク”にも注目だ。

大事なホーム開幕戦、ヴァンフォーレ甲府との試合は、16日午後2時にキックオフする。

(さくらんぼテレビ)

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さくらんぼテレビ
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