1日朝、長野県小諸市の上信越自動車道で起きた多重事故は、同時間帯に約20件、48台が関係していたことがわかった。男性1人が死亡、13人が重軽傷を負った。事故に巻き込まれたドライバーによると、当時、濃い霧で視界が悪かったという。

同時間帯に約20件、48台絡む

高速道路上で止まってしまった多くの車。 

フロントが大破し、積荷が散乱した車。 

事故があったのは小諸市の上信越道上り線。 警察などによると、午前8時半頃、小諸と佐久インターチェンジの間の約2キロの間で、約20件、合わせて48台が絡む事故が発生した。

事故車両
事故車両
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1人死亡 13人重軽傷

警察や消防によると、55歳の男性1人が死亡、小学生から70代の男女13人が搬送され2人が重傷、10人が軽傷、1人が程度不明。

重傷のうち、1人は事故現場で車を誘導していた警察官だった。

事故現場
事故現場

濃霧…「前が見えない」

事故直後の現場を通った車のドライブレコーダー映像を見ると、霧で前の見通しが悪く、道路わきには事故を起こしたトラックや車が多く停まっている。

前方で事故が起き、動けなくなった車のドライバーは、 「霧がすごくて、前方20~30メートルくらいの視界で、これはやばいなという状況。担架で4台くらい脇を通っていきました、救急車2台くらい向こう側を走っていたので、結構人数はいたと思う」、また、別のドライバーは、「道路はちょっと圧雪されてわだちみたいになっていた、霧がすごかった。滑って、前見えないから、どんどんぶつかっていったんじゃないか」と、現場の状況を話す。

ドライブレコーダー映像より 提供:視聴者
ドライブレコーダー映像より 提供:視聴者

ドライバーが恐怖語る

玉突き事故に巻き込まれた男性の車は追突によりリアガラスが割れるなどし、自身も首に痛みがありこの後、病院へ向かった。 

男性は、「自分は発煙筒が目に入ったから右車線に逃げたが、止まった所へ後から大型トラックが突っ込んできて、自分も前の車を押しちゃって。霧でほとんど視界が見えなかった。ドーンって感じで、強い。前の人が大けがしちゃって。はじめてこんなことになったから」と話し、のちに恐怖感が強まってきたという。

事故現場
事故現場

7時間余り通行止め

ネクスコ東日本は、当時、雪は止んでいたものの、濃い霧が出ていたとしていて、長野地方気象台も事故後の午前9時25分に、濃霧注意報を発表した。

事故処理のため上信越道の小諸インターと佐久インター間の上りと中部横断道の小諸ジャンクションと佐久北インタ-間の上りは7時間余りにわたって通行止めとなった。

事故現場 
事故現場 

どうして、これほど霧が濃かった?

どうして、これほど霧が濃かったのか。

岸本慎太郎気象予報士は、 「今回は、夕べの雨や雪をもたらした雲が、周辺の山によってとどまり、低いところの雲が霧となって視界が悪くなった可能性がある。また、けさ(1日朝)は、雪やみぞれでさらに視界が悪くなった可能性もある」とみていて、「濃霧で視界が悪い時は、車は車間距離を十分にとって、ロービームやフォグランプをつけて慎重に走行してほしい」と注意を呼びかけている。

(長野放送)

長野放送
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