2月28日スキー場で大規模な雪崩が起き、4人がけがをしました。雪の層が一気に滑り落ちる「全層雪崩」とみられ、危険を察知できる「前兆」がないまま発生したということです。
斜面を覆う無数の雪の塊。
長野と新潟にまたがる斑尾高原スキー場で起きた雪崩です。
規模は最大で幅約185メートル、長さ約600メートルに及んでいました。
(記者リポート)
「雪崩が発生したゲレンデの麓です。こちらからでも肉眼で雪崩の痕跡をしっかりと確認することができます」
雪崩が起きたのは「パウダーライン」と呼ばれる圧雪していない上級者用の急斜面です。
2月28日午後2時すぎ、コースを滑走していた5人が巻き込まれました。
パトロール隊が全員を救助しましたが、14歳の少年と40代の父親、台湾籍の男女の4人が骨盤や足の骨を折るなど大けがをしました。
一夜明け、3月1日は、警察や専門家などが捜索や調査のため現地に向かいました。
(リポート)
「警察などの救助隊が入り、他に巻き込まれた人がいないか捜索を行っています」
ドローンや探索犬も使って捜索が行われ、警察は、「他に巻き込まれた人がいる可能性はかなり低い」としています。
スキー場は周辺のリフトを止め一部のコースを閉鎖して営業。
現場近くのゲレンデには利用者の姿が―。
スノーボーダー:
「硬くて凍って締まっている雪じゃなくて、すぐに板が沈み込むような感じの雪質をしていると思います」
「正直、『びっくり』が一番大きい。ゲレンデの中は管理されているという安心感があったので」
雪崩が起きた斜面には雪が切れ落ちるように崩れた跡がくっきりと残っていました。
ただ、当日朝のコース点検で亀裂などの「兆候」は見られなかったといいます。
現地調査の報告によりますと、まず、コースの上部で「全層雪崩」が発生。
その後、表面の雪の層を巻き込みながら滑り落ちたとみられます。
古い層に新しい雪が積もって滑り落ちるのは「表層雪崩」。
対して「全層雪崩」は、全ての雪の層が一気に滑り落ちます。
雪氷防災研究センター・上石勲 特別研究員:
「高温になると一般的に全層雪崩とか十分考えられます。クラック、雪の傷や割れ目ができる、雪にしわができるのが雪崩の前兆現象。前兆現象が明確には分からなかったことが珍しい現象かもしれない」
専門家は、雪崩の解明には地面や気象状況などの詳しい解析が必要と話し、「これからの時期、危ない場所には近づかない」よう警鐘を鳴らします。
スキー場ではこの1週間、夜間も氷点下まで冷えこまず雪崩発生時は霧雨でした。
運営会社は、「経験則にとらわれず、安全の見極めをより徹底したい」としています。