「政治とカネ」の問題で追及が続く国会。3月1日は、大波乱の展開となった。
安倍派5人衆らが出席した政治倫理審査会では、派閥の実務を担う事務総長の経験者が相次いで裏金の関与を否定。
誰が裏金を主導したのだろうか。
裏金復活「承知していない」と説明
安倍元首相の肖像画が飾られた国会の第5委員室。
2日目となる政治倫理審査会で、安倍派の幹部4人が裏金についてどう説明するのか注目を集めた。
トップバッターは、安倍派5人衆の1人で、事務総長経験者の西村前経済産業相。
焦点となったのは、2022年4月に安倍元首相のもと一度は中止された、キックバック復活の経緯だ。
(“裏金”100万円)西村前経産相:
ノルマ以上に売った議員から「返してほしい」という声があり、(2022年)8月上旬に幹部で集まって、どう対応するかを共有しました。
立憲民主党・枝野前代表:
その時のメンバーは誰ですか?
(“裏金”100万円)西村前経産相:
塩谷代理(当時)、下村代理(当時)、私、そして世耕参院幹事長(当時)と松本事務局長(事務方)だったと思います。
結論が出ないまま、私自身は、8月10日に経産大臣になりましたので、事務総長を離れることになり、その後はこの還付の話、資金の話は一切しておりません。
キックバックが復活した経緯について、「承知していない」と説明した。
続いて出席したのは、西村氏の前に事務総長を務めていた松野前官房長官。
(“裏金”1051万円)松野前官房長官:
私が事務局から経理・会計に関する事項について、報告を受けたことは一度もありませんでした。パーティー収入の取り扱いについては、認識しておりませんでした。
同じ安倍派の衛藤議員は、西村氏の説明を「文句なし」とベタほめしたうえでこう話した。
自民党 安倍派・衛藤議員:
(裏金議員の)残り40数名さ、全部出た方がいいよ。説明したらいいよ。
野党2時間54分“史上最長演説”で対抗
誰がキックバックを復活させたのか。
午後に出席する塩谷座長と現在事務総長を務める高木前国対委員長が、何を語るのかに注目が集まる。
しかし、予定の時刻になっても開かれない。
その理由が、来年度の予算案をめぐる攻防。
年度内成立のため、3月1日中に採決したい与党に、野党が激しく反発。
予算委員長の解任決議案が提出され、その採決を行う本会議は予想だにしない大荒れの展開となったのだ。
大きな紙袋を持ち登場した立憲民主党・山井和則議員。
大量の資料を取り出し、長時間の演説を行う。
立憲民主党・山井議員:
明日って土曜日ですけれども、卒業式のシーズンですよね?明日の審議とか採決とか、さすがにそれはやめませんか?いかがでしょう?
ヤジ:
ダメだよ、こういう事実無根の話をして!
立憲民主党・山井議員:
「事実無根」とおっしゃるけれど、領収書がなくて、どうやって政治資金って証明できるんですか!
額賀議長:
山井君に申し上げます。ヤジに応酬してはなりません。
裁決を少しでも遅らせるため、ヤジとも会話。
山井議員は、衆院で最長となる2時間54分の演説を行った。
演説中、政倫審に出席予定の塩谷氏は、同僚議員から報告を受け小さくうなずき、高木氏は報告を聞いて、肩を震わせて笑っていた。
そして午後5時過ぎ、政倫審が再開。
(“裏金”234万円)安倍派・塩谷座長:
長年、清和研(安倍派)の幹部を務めてまいりましたが、政治資金パーティーをめぐる問題に関しましては、一切関与しておりません。
「政治とカネ」をめぐる攻防は、最大のヤマ場を迎えている。
(「イット!」3月1日放送より)