2024年シーズンからプロ野球2軍リーグに参入する「くふうハヤテベンチャーズ静岡」は、静岡県初のプロ野球チームだ。
この新しいチームに、島根県出身の元千葉ロッテ・谷川唯人選手が所属している。2023年シーズン終了後、「戦力外通告」を受け、新球団で再起、NPB復帰を目指している。

プロ入りも…けがに悩まされ戦力外に

2月5日、静岡市の運動公園では、プロ野球の新球団「くふうハヤテベンチャーズ静岡」のキャンプが行われていた。

新球団で再起を目指す谷川唯人選手
新球団で再起を目指す谷川唯人選手
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取材に訪れたこの日は雨模様。屋内練習場で「おはようございます」と声をかけたのは、島根・安来市出身の谷川唯人選手(21)だ。

立正大淞南高校(松江市)出身の谷川選手は、強肩が魅力の捕手として、2020年のドラフト会議で千葉ロッテマリーンズが育成1位指名した。
しかし、入団後はけがに悩まされ、1軍出場ゼロのまま、2023年オフに戦力外になった。

ハヤテ223でプレーする谷川選手
ハヤテ223でプレーする谷川選手

今シーズンは「ハヤテ」に誘われ、ユニフォームに袖を通すことになった。
「ハヤテ」は、2023年のプロ野球オーナー会議で、「オイシックス新潟アルビレックスBC」とともに、2軍リーグ戦への参加が承認された新球団だ。

プロ球団という位置づけだが、“1軍”を持たない球団で、選手が出場できるのはNPB(日本野球機構)2軍のリーグ戦に限られるのが、既存の12球団と異なる点だ。

「諦めきれない」 新天地での活躍目指す

千葉ロッテで3シーズン、1軍昇格を目指してきた谷川選手。「戦力外通告」を受け、野球を続けるかどうか悩んだという。

ハヤテ223・谷川唯人選手:
正直、やめることも少しは考えたが、自分に野球しかないといろんな場面で感じていた。「続けたい」という思いと、NPBに戻れる可能性を感じたので「ハヤテ」を選んだ

谷川選手は、「まだ諦めきれない」という思いから、静岡の新球団に新たな活躍の場を求めた。
目標は、NPB12球団に復帰し、1軍で活躍することだ。
そのために、このチームで強肩という最大の長所を伸ばしながら、足りない部分を補うつもりだ。

率先して練習 監督やチームメートも評価

チーム練習が終わったあとも、谷川選手は、静岡市内のジムで自主トレーニングに励む。

ハヤテ223・谷川唯人選手:
自分自身でまだ筋肉が足りないと思っているので。大きければ大きいほど、体は強ければ強いほど良いと思っているので、やるだけです

横浜DeNAベイスターズに8年在籍し、1軍でも実績十分の倉本寿彦選手は、チームメイトになった谷川選手について「伸びしろもあると思うし、諦めずに上を目指してやるべきというポテンシャルがあるので、頑張ってほしい」と期待する。

また、赤堀元之監督も「自分を変えようという気持ちで取り組んでいて、率先して練習をやっている」と、谷川選手の姿勢を評価する。

一度は諦めかけた1軍の舞台へ、谷川唯人選手は「NPBに戻るには、即戦力として評価されることが一番。そうじゃないと戻れないと思うので、レベルアップしないといけない」と再起を誓った。

「戦力外通告」を受けても、「諦めない」選択をした谷川選手。新天地・静岡で野球人生の第2章が幕を開けた。

(TSKさんいん中央テレビ)

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