会場建設費が当初の約2倍に上振れする中で、万博に設置される「2億円のトイレ」が物議を醸していることについて、元大阪府知事の橋下徹氏は、外国人観光客などを迎え入れることから「それなりのトイレは必要」とした上で、「明細などは全てオープンにすべき」との見解を示した。

■2億円トイレについて「トイレ1基あたりの単価は通常の公共トイレと変わらない」と吉村知事

万博会場となる人工島「夢洲」
万博会場となる人工島「夢洲」
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2025年に開催される大阪・関西万博では、40カ所の公衆トイレのうち8カ所に、若手建築家が設計するデザイナーズトイレが設置される予定で、このうち、便器の数が50~60個設けられる大規模トイレが2カ所あり、その設備費用がそれぞれ約2億円となることが、20日明らかになった。

大阪府 吉村洋文知事 2月20日
大阪府 吉村洋文知事 2月20日

この2億円のトイレについて、大阪府の吉村洋文知事は、トイレ1基あたりの単価で見積もると、通常の公共トイレと同等であり、若手の建築が手掛ける「コンセプト」と「価格面」が両立した適正な価格のトイレであるとする認識を示している。

■運用期間で考えると「割高」 「建設の意義を前面に出すべき」と橋下氏

左:青木源太キャスター 右:橋下徹氏 「旬感LIVE とれたてっ!」(2月21日放送)
左:青木源太キャスター 右:橋下徹氏 「旬感LIVE とれたてっ!」(2月21日放送)

「2億円トイレ」の是非について、関西テレビの「旬感LIVE とれたてっ!」に出演した橋下徹氏は、「入場料金が6000円~7000円のチケットなわけでしょ。それで世界各国からいろんなパビリオンを集めてくることになれば、それなりのトイレは必要になると思っている」と語り、2億円トイレは万博に必要とする考えを示した。

また、青木源太キャスターから「6カ月で撤去される万博トイレと、一般の公共トイレを比べると、運用期間でみれば、コストが割高なのではないか」と問われると、橋下氏は、「公衆トイレでずっと残るトイレで、便器2つ男性用、女性用トイレをワンセットで建設すると大体800万円ぐらいかかる。撤去するから、どうなんだというところは、アーティストとか、デザインとか、それから建築の意義とか、もっといえば万博全体の意義から、真正面から説明していったほうがいいと思う」と話し、コスト面の説明も必要だが、若手アーティストの養成など2億円トイレを建設する意義について、前面に出すべきとする見解を示した。

■「政策活動費の話と同じ」「明細などすべてオープンに」と橋下氏

2億円トイレに賛否の声 「旬感LIVE とれたてっ!」(2月21日放送)
2億円トイレに賛否の声 「旬感LIVE とれたてっ!」(2月21日放送)

そして、この2億円トイレの図面や明細の詳細が明らかになっていないことについて、自民党の裏金問題をきっかけに、問題視されている政党から個々の議員に支給され、使い道を公開する義務がない「政策活動費」と構図が同じだとして、「公の仕事は全て明細をオープンにすべき」とする持論を展開した。

元大阪府知事 橋下徹氏:これは結局、政策活動費の話と同じ、自民党も維新も皆、『これは公になったらまずいから隠します』なんてことを政治家が言うもんだから、結局こういうところにまで波及してくるわけ。全部公の話は出さなきゃ。細かく出すべきだと思いますよ。誰にお金を渡したのか、受け取ったほうの民間の人が嫌がると言うんだけど、我々も意識を変えて、公からお金をもらうんだったら、全部オープンになる覚悟で仕事をうける、お金を受け取るということをしないといけないと思う。

■会場建設費は当初の約2倍 そこに2億円トイレも含まれる

トイレ ※イメージ
トイレ ※イメージ

大阪・関西万博の会場建設費を巡っては、大阪府市と経済界、国が3者で、それぞれ3分の1ずつ負担することになっていて、当初1250億円と想定されていたが、去年、物価上昇などを理由に最大2350億円に上振れすることが正式に決まっていて、2億円トイレもこの会場建設費に含まれている。

関西テレビ
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