寒さが一段と厳しくなる中、寒さに反応して発症する「寒冷じんましん」。

大学生:
今ぐらいの時期からずっとできてますね。毎年この季節はなってますね。

20代女性:
最近発症するようになっちゃって。冷たい風が当たったところにできるので、冬場だと顔とか手とかに出ます。
多くの女性が実際になったことがあると話す「寒冷じんましん」。ある病院では去年よりも1.5倍患者が増えたという声もあります。

特に20代~40代の女性が発症しやすく、突然発症し、放置すると慢性化のリスクもあるという中、患者が語るその症状とはどういったものなのでしょうか?
寒冷じんましんの実際の症状とは…
島根大学医学部 千貫祐子准教授:
寒冷刺激を受けた箇所に、じんましんが出てくるのが特徴です。

寒冷じんましんと診断された30代女性:
とにかく肌が冷えることで、じんましんが出るので、特に皮膚が薄い内もものところとか、ちょっと冷えただけですぐ出やすくて。冬場とかはもう関係なく、全身冷えればどこでも、洋服着ていても出たりとかってのはあります。

また、こちらの女性の場合は、真っ赤になった手の甲に、いくつもの発疹が…手袋を着けずに通勤した際に発症しました。

そして、2歳の子どもにも足元に寒冷じんましんのような症状が見られます。
「寒冷じんましん」とは?発生のメカニズムや注意するべきポイント
めざまし8「わかるまで解説」では、ゲストに島根大学医学部・千貫祐子准教授を迎え、寒冷じんましんのメカニズムについて、解説していただきました。

島根大学医学部・千貫祐子准教授:
「寒冷じんましん」とは、体が低温の外気や物体などにさらされることで生じるじんましんで、冷たい水で手を洗ったり、寒い場所を移動するだけでも腕や足などに赤い発疹やかゆみなどが出ます。特徴としては、2時間以内には跡形もなく消えます。

――発生のメカニズムは?
島根大学医学部・千貫祐子准教授:
寒冷刺激(冷たい刺激)を人が受けると、自分の体を守ろうという過剰反応で、ヒスタミンという成分が分泌されます。このヒスタミンが血管を膨張させる効果によって皮膚に腫れが出ます。さらにこのヒスタミンは、知覚神経を刺激することでかゆみも発生させるため、この「腫れ」と「かゆみ」によって、じんましんが生じます。

一度発症すると5~8年続くともいわれていて、統計上では、男性よりも女性が2倍近く発症しています。また、10代~40代に多いのですが、中には2歳で寒冷じんましんのような症状が出るケースもあるといいます。
――なぜ男性よりも女性の方が発症することが多いのでしょうか?
島根大学医学部 千貫祐子准教授:
やはり女性の方が皮膚が薄くて、その分敏感に反応する可能性があると思います。
――どのぐらいの気温から発症しやすくなるのでしょうか?
島根大学医学部 千貫祐子准教授:
4℃くらいまで下がるとじんましんが出るんですけれども、重症な方ですと20℃でもじんましんが出ることがあります。

また、この「寒冷じんましん」、「しもやけ」と症状が似ているため、実はなっているけど気づいていないというケースもあります。
さらに医師ですら、「寒冷刺激」が原因だと断定することが難しいといいます。
治療方法や対策はあるのでしょうか?

日頃からできる対策としては、なるべく素肌を出さないなど、寒冷刺激から遠ざかることが大事だといいます。
治療方法としては、医療機関で「抗ヒスタミン薬」を処方してもらい、服用すること。花粉症と同じようなアレルギー反応のため、全く同じ薬が有効だということです。
(「めざまし8」2月8日放送)