プロ野球、阪神タイガースのドラフト2位ルーキー、長崎県・島原中央高校出身の椎葉剛投手。挫折を乗り越えプロをつかんだ椎葉投手に、2024年の抱負を聞いた。

独立リーグから阪神タイガースへ

去年11月、母校・島原中央高校(長崎県)の全校生徒に抱負を語ったのは、プロ野球・阪神タイガースの椎葉剛投手(21)。

阪神タイガース・椎葉剛投手:
開幕一軍を目指してけがなくやり続けるよう、島原中央高校の名を広げられるよう頑張ります

椎葉投手は四国アイランドリーグPlusの徳島に所属していた2023年10月、ドラフト会議で、阪神から2位指名を受け入団した。

阪神タイガース・椎葉剛投手:
(プロに)小さい頃から憧れていた。本気で狙えると思ったのは2023年。行けるならどこでも良かったが阪神に選ばれたのはうれしい

恩師に教わった“人として”大切なもの

椎葉投手は大阪府の出身だ。2017年、関西出身の李監督の勧誘を受け、同郷の仲間十数人とともに島原中央高校に入学した。

高校時代の椎葉投手(画像提供:島原中央高校野球部 李崇史監督)
高校時代の椎葉投手(画像提供:島原中央高校野球部 李崇史監督)
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そこで過ごした3年間は、今の椎葉剛をつくる上で“かけがえのない”ものだった。

KTN・磯部翔アナウンサー:
高校時代に1番学んだことは?

阪神タイガース・椎葉剛投手:                            (島原中央での3年間について)けがして野球ができない時期もあったが、島原中央高校じゃなかったら野球を辞めていたと思うくらい大事な3年間だった

阪神タイガース・椎葉剛投手
礼儀、人に対する感謝とか、野球じゃないところを厳しく教えてもらった。自主性を大事にする監督だったので自分が足りないところを自分で考えて、練習する。自分と向き合うことが大事と教えてもらった

高校時代の椎葉投手(画像提供:島原中央高校野球部 李崇史監督)
高校時代の椎葉投手(画像提供:島原中央高校野球部 李崇史監督)

右肩のけがで半年間、野球ができなかったり、キャッチャーがメインだったりと順風満帆の高校生活ではなかったようだ。一方で今につながる趣味もこの時期に覚えたという。

阪神タイガース・椎葉剛投手:
釣り好きだったのでオフは釣り好きな仲間とよく釣りをしていた。シーバスを釣っていた。

KTN・磯部翔アナウンサー:
(独立リーグ時代)徳島でも釣りをしていた? 

阪神タイガース・椎葉剛投手:
徳島(時代)は野球に専念ということで釣りはしていなかったがこれからはしたい                   

反骨心を糧に1年で最速159キロに

高校を卒業した後はミキハウスに所属し社会人野球の舞台での活躍を目指したものの、公式戦の登板は3年間でわずか1試合。戦力外となるなど再び挫折を味わった。

その後、「ミキハウスを見返す」との反骨心をもとに独立リーグの徳島インディゴソックスに入団。1年も経たずに直球の球速が148キロから159キロへと伸び一躍プロ注目の存在になった。

KTN・磯部翔アナウンサー:                               社会人野球から四国に行って球速が伸びた、その理由は?

阪神タイガース・椎葉剛投手:
 まずは体重を増やそうとトレーナーと話をして、自分が足りなかった筋力も足りなかったのでウエイトトレーニングと体重の増加を課題として1年間取り組んだ。               

――それであんなに球速がグンと伸びるもの?                      

阪神タイガース・椎葉剛投手:
自分は合っていたなと感じた。

――最速159キロはかつての自分から想像できる?    

阪神タイガース・椎葉剛投手:
正直、想像できなかった。自分が思っている以上に右肩上がりで伸びていったので。島原中央高校があって、徳島インディゴソックスあっての自分の今なので、感謝しかない

椎葉投手が後輩たちに伝えたいこと

“感謝”があるからこそ4年ぶりに訪れた母校でも後輩たちに惜しみなくアドバイスを送った。

阪神タイガース・椎葉剛投手:
体の軸は意識した方が良い。投げるときに

島原中央高校(長崎)で後輩たちに指導を行う椎葉投手
島原中央高校(長崎)で後輩たちに指導を行う椎葉投手

島原中央高校野球部・松野琉已投手(2年):
投げ方や、キャッチボールのときの三歩歩行を意識するよう言われた。伸びがすごくて球も重くてすごいと思った

島原中央高校野球部坂根康太主将(2年):
いつも見ている球とは違って投げた瞬間から落ちない、伸びてくるようなまっすぐだった。まずは今(長崎県内)ベスト16どまりなのでベスト8を目指して、そこからそれ以上に勝ち上がって甲子園に出場できるよう頑張りたい

阪神タイガース・椎葉剛投手:                               上に行く素質はみんな持っているから、自分の努力次第。もっとチーム内で競争して頑張って。来年の夏期待している

椎葉投手といえば「すだちストレート」!?

椎葉投手の憧れは、阪神や大リーグで“抑え”などとして活躍した藤川球児さんだ。

KTN・磯部翔アナウンサー:
藤川球児選手といえば“火の玉ストレート”椎葉選手といえば「○○ストレート」にしますか?

阪神タイガース・椎葉剛投手:
え、なにやろ。なんか候補があれば教えて下さい

徳島県と言えば、かんきつ類の「スダチ」が国内生産量1位を誇るなど徳島を代表する特産であることから…。

KTN・磯部翔アナウンサー:
では「すだちストレート」はどうですか?            

阪神タイガース・椎葉剛投手:
いやいや、ダサいでしょ(笑)。これから見つけていく

今後、椎葉投手の「○○ストレート」にも注目だ。

 阪神タイガース優勝パレード(2023年)
 阪神タイガース優勝パレード(2023年)

KTN・磯部翔アナウンサー:
阪神は日本一連覇がかかっているが、どんな貢献をしたい?

阪神タイガース・椎葉剛投手:
自分も甲子園の大声援で投げたいと思って日本シリーズを見ていた。どちらかというと楽しみな部分が大きい。自分がどこまで通用するのか楽しみ

いよいよ始まるプロ1年目。椎葉投手は2024年の目標を「開幕一軍」と記した。

阪神タイガース・椎葉剛投手:
開幕一軍を目指してキャンプからしっかりアピールできるよう頑張ります。応援よろしくお願いします

椎葉投手は、阪神タイガースの新人で唯一、春季キャンプの1軍メンバーとしてスタートを切った。2024年度オープン戦(春季非公式試合)は2月23日から始まり、阪神は初日に沖縄セルラースタジアム那覇で、読売ジャイアンツ(巨人)と対戦する。(オープン戦:2月23日~3月24日)

島原中央が生んだ159キロ右腕のデビューがいつになるか、全国の虎ファンが注目している。

(テレビ長崎)

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