能登半島地震を受け、隣県の福井では企業が続々と支援を表明している。規格外野菜の配送サービスを展開する福井・鯖江市の企業は1年間、事業売上の1%を石川県に寄付することを決めた。ほかの企業も太陽光充電ライトや、電子カルテシステムの無償提供など、支援に声を上げている。
売り上げの1%を被災地に寄付
傷があったり、形が悪かったりする規格外の野菜を全国から仕入れ、定額で配送するサービス「ロスヘル」は、社会問題となっているフードロスの削減に取り組んでいる。事業を手掛ける鯖江市の「エクネス」は隣県に本社を置く企業として、被災地に売り上げの一部を寄付することを決めた。
この記事の画像(7枚)エクネス・平井康之社長:
あまりに悲惨な被災地の状況を見て、「何かしないと」と思った。全然十分でないとわかっているが、最大限できることとして寄付を決めた
社員の中には、親族が被災したという人もいる。フードロス事業部の葛野亜衣部長は80代の祖母が石川・珠洲市に住んでおり、家が津波で流されるという被害を受けた。祖母は逃げ出して無事だったものの、数日間は安否の確認がとれず、心配な日々を送った。
フードロス事業部・葛野亜衣部長:
安否がわかるまでは本当に不安で不安で…。(祖母を含め)助かった方々をこれから一生懸命支えていきたい
社会課題の解決を会社の基本方針に掲げているエクネス。今後1年間、ロスヘルの売り上げの1%を石川県に送る。寄付金は月ごとに送る予定で、継続的な支援につなげたいとしている。
エクネス・平井康之社長:
これまで通りにはならない部分もあるかもしれないが、お風呂が入れて、ご飯が食べられて、安心して寝られる場所に1日でも早くなるように寄付金を使ってもらえたらうれしい
被災者支援の動き広がる
福井の企業では、隣県石川の被災地支援の動きが広がっている。上場企業では福井市の総合繊維メーカー「セーレン」が1,100万円、福井市の化学メーカー「日華化学」が1,000万円の寄付を発表した。
アウトドア用品店を運営する坂井市の「カンパネラ」は、現金の寄付に加えて太陽光充電ライト100個を珠洲市に提供。寝袋やブランケット、保温性の高い上着などを準備したうえで、現地のニーズを確認している。
システム開発を手掛ける福井市の「ビットブレイン」は、電子カルテの閲覧や書き込みがリモートで利用できるようになる自社開発システムを、被災地の医療機関に無償で提供する。
(福井テレビ)