13日に控えた一大イベント「台湾の総統選挙」。盛り上がる台湾の様子を現地から吉原キャスターが伝える。
吉原功兼キャスター:
台湾のトップを決める「総統選」の取材をしています。あす、投票日を迎えるということで、各陣営、きょうがラストスパート。後ほど、民進党の候補者が演説を行う新北市の会場からお伝えしている。首都・台北から車で30分ほどの場所。結果次第で、台湾と中国の関係が大きく変わり、日本にもさまざまな影響が考えられる「総統選」ですが、今、私が何よりも感じているのは台湾の人たちの選挙に対する熱量です!ちょっと日本では考えられないものすごい熱気を感じています!
■あすは「台湾の総統選挙」 台湾のトップ・蔡英文総統の後継は誰?
この記事の画像(12枚)日本やアメリカと良好な関係を築いてきた台湾のトップ、蔡英文総統の後継が、13日に決まる。吉原キャスターも現地でその熱気を感じている。
1月6日、台湾・桃園市で行われた国民党の集会。4年に一度、台湾全土の有権者が自分たちのトップを選ぶ「直接選挙」とあって、陣営はすごく盛り上がっている。
中国からの「独立」でもなく、中国との「統一」でもない「現状維持」が続く台湾で、立候補したのは3名。
与党・民進党の頼清徳候補は、蔡英文総統の路線を継承し、中国と距離を置きアメリカとの関係を重視する方針だ。当選すれば中国との緊張がいっそう高まるとも指摘されている。
中国と距離を置く民進党・頼清徳候補:
台湾経済はもう中国には依存していない!
一方、野党第一党・国民党の侯友宜候補は、「中国との融和」を重視。
国民党・侯友宜候補:
中・台の平和を守る!
また野党第二党・民衆党の柯文哲候補は、「中国と対話はするが、依存しない」と中立的な独自路線を主張。
中国との関係が緊迫化する親米路線が続くか、親日の台湾が親中にかじを切るか。台湾海峡の命運が13日に決まる。
■総統選への関心が高い台湾市民 統一か?独立か?どちらを選ぶのか
11日に台北市に入った吉原キャスター。
吉原功兼キャスター:
台湾の中心都市、台北市内にやってきました。日本よりもだいぶ暖かいですね。そして人の往来も多くて活気がありますね!
取材を前にまずは台湾名物・ルーローハンで腹ごしらえ。
吉原功兼キャスター:
(一口食べて)口の中に入れたらあっという間にとろけます
十分に味わったところでさっそく取材を始めると…
吉原功兼キャスター:
あれ見てください、見てください。民進党の頼清徳候補のポスター。バスにでかでかとはりつけています。アイドルみたいですね
街の至るところに候補者たちの大きな看板があり、さらに街の中では政治討論番組を見ながら仕事をする人もいて、総統選への関心の高さが伺える。
その熱気は街の人からも…
Q.総統選挙、もうすぐですけどどこに投票されますか?
国民党支持者:
侯友宜、国民党です。私は中国と台湾の平和を願っています。共に豊かに、共に発展していきたいです
民衆党支持者:
柯文哲氏に投票します。台湾独立か統一かと言っていますが、お互いに挑発せずにコミュニケーションを取るほうがいいんじゃないでしょうか
民進党支持者:
民進党ですね
民進党は台湾の主権を認めています。完全に親中しているほかの2つの党とは、違うからです。
Q. 中国の習国家主席が中国と台湾“統一”って言葉を発しましたけど、それに関してはどう感じていますか?
民進党支持者:
台湾の2300万人は認めません。もし統一するなら、総統選は意味がないですよね
■お祭りムードの民進党集会 新しいリーダーになるのは誰?
11日の夜、新北市内で開かれた民進党の集会に訪れた。
吉原功兼キャスター:
こちらご覧ください、民進党の頼候補の選挙演説会場なんですが、見渡す限り人、人、人!みなさん立ち上がって旗を振って、お祭りムード一色!
投票を前に頼候補の演説を聞こうと、会場には数えきれないほどの市民が集まった。ステージでは歌手によるパフォーマンスや、蔡英文総統による演説も。そして…
吉原功兼キャスター:
ご覧ください、スタンディングオーベーションです!このイベントもクライマックス、これから頼候補の選挙演説が始まります!
民進党・頼清徳候補:
会場のみなさんこんばんは!台湾の選択を全世界が見守っています。どんな1票でも、台湾が前進するための力を合わせる1票です。あさって、みんな投票しにいこう。必ず投票しましょう!
地元メディアによると最新の調査では与党・民進党が32パーセントと野党をややリードしているが、依然として接戦だ。 いよいよ、13日に投票日を迎える台湾総統選。新しいリーダーは一体誰になるのか。台湾市民は大きな選択を迫られている。
(関西テレビ「newsランナー」2024年1月12日放送)