春高バレー全国大会で福井県勢として初の快挙、準優勝を果たした男子・福井工大附属福井高校。登録メンバー含めて18人全員が地元・福井出身で、キャプテンの堤凰惺選手は「県民チームだけでも準優勝できることを全国に証明できた」と胸を張った。
母校で福井県勢初の快挙を祝福
1月10日、福井市内の母校体育館で報告会が開かれた。約1,800人の大きな拍手で迎えられ、西田靖宏監督と堤凰惺主将に花束が贈られた。県勢初の快挙を祝った。
![花束を受け取る西田靖宏監督と堤凰惺主将](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/4/1/700mw/img_4152edf236e87a74f425301dadef7d3b509098.jpg)
西田靖宏監督:
みなさんに応援してもらえていたということが一番うれしいこと。次はあの場所で頂点を目指して、また努力していきたい。
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新型コロナウイルス感染症の影響で停止していた「ベスト応援賞」は4大会ぶりに復活し、東京に駆け付けた工大福井の応援団が受賞した。
応援した空手部の生徒は「自分たちもバレー部と一緒に日本一をとれるよう、日ごろから全力で頑張っていきたい」と話した。県勢初の快挙は生徒たちにも勇気を与えたようだ。
激闘の5試合を選手とともに振り返る
チーム福井で勝ち取った全国2位までの激戦を、主力メンバーのインタビューとともに振り返る。
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まずは2回戦、東京の駒澤大学高校と対戦した。第3シードの工大福井にとっては大会初戦となった。駒大高校にとってはまさにホームで、大応援団が詰めかけた。
その勢いに押され序盤リードを奪われたが、3年生のミドルブロッカー・長谷川選手を中心に徐々に主導権を握り返した。
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長谷川翔大選手:
クイック(速攻)が通って自分にマークが集中する中で、サイド攻撃やパイプ攻撃(時間差バックアタック)が使えてよかった。
自分たちのバレーが出始め、25対19、25対18のストレート勝ち。ここから快進撃が始まった。
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続く3回戦は春高バレー常連校の長崎、大村工業高校。大エース・土井選手を擁し、伝統の時間差攻撃を繰り出す強豪校だ。
工大福井は身長179cmの小柄なミドルブロッカー・3年生の吉田選手。相手スパイクに対するブロックがさえ、相手コートに落とすシャット・アウトが輝いた。
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吉田楓選手:
前の試合から相手エースの調子がよくて、どこまで止められるか、レシーブでつなげられるかが勝負だと思っていた。序盤でブロックポイントが出たのがよかった。
この言葉通り、相手エースを13点に封じ込めた工大福井。この試合も25対18、25対18のストレートで制し、勢いを加速させた。
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そして迎えた準々決勝。大村工業高校に続きこの日、2試合目となった相手は、過去に3年連続で準決勝に出場した経験を持つ大阪の強豪・清風高校だ。
3年生セッターの丸山選手は、実に1分を超えるラリーを制したことが、勝負を分けたと振り返った。
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丸山英祐選手:
その時にライトバックを使ったり、能美のバックアタックを使ったり、レフトに上げたりと、ラリー中のトスアップはよかった。
最後の最後まで手に汗握る接戦が続いた。
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しかし最後はキャプテン・堤選手が押し込み、ストレート勝ち(27対25、25対20)。県勢の悲願だった初のセンターコート(準決勝以上で使われるコート)を勝ち取った。
準々決勝までは体育館の4面を使って試合が行われるが、センターコート1面だけ。全ての観客が自分たちの試合に注目する大舞台となる。
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準決勝の相手は前年の準優勝校、熊本の鎮西高校だ。工大福井にとっては2023年に破れているだけに、因縁の相手でもある。
その大一番で会場をわかせたのが2年生、森本選手のサーブをきっかけとした圧巻のブロックだった。
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森本泰地選手:
止められると思ってなかったが、自分の得意なブロックを試合で出せたことは凄いことだと思うし、うれしかった。
強豪、鎮西を相手に25対19、25対23、25対16のストレート勝ちを果たした。大会を通して1セットを落とすことなく、決勝進出を決めた。
![地元福井から駆け付けた大勢の応援団](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/7/6/700mw/img_76078c3aec77dcd264b980200877e7d8487271.jpg)
そして迎えた8日、決勝の朝。選手たちはバスに乗り込んで、決勝の舞台へと向かった。東京体育館(渋谷区)には地元福井からも大勢の応援団が駆け付けた。
3年間の思いをコートにぶつける
相手は2023年の王者、東京の駿台学園だ。王者相手にも工大福井は一歩も引かない試合を見せた。特に躍動したのがアウトサイドヒッターのキャプテン・堤選手だ。
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キャプテン・堤凰惺選手:
生まれながらの持ち味であるパワーを生かして、高いブロックをはじき飛ばして天井に上がったスパイクが自分でも印象的で。パワーを持ち味として生まれてきてよかった。
第一セットは22対25と大接戦の末、今大会初めてセットを落とした。
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その後は相手の堅い守りを崩すことができず、徐々に劣勢に追い込まれる工大福井。ただ3年間の思いをぶつけるように、最後は3年生中心に立ち向かっていく。
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しかし、結果はストレート負け(22対25、15対25、21対25)となった。工大福井の歴史を変えた戦いは幕を閉じた。
決勝で敗れ悔し涙を流したが、県勢初となる準優勝を勝ち取った。キャプテンの堤選手は“オール福井っ子”で勝ち取った結果に誇りを持っている。
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キャプテン・堤凰惺選手:
全員が福井県民なので、そこはどこのチームよりも自慢できる。県民チームだけでもここまでできることを全国に証明できたのかなと思います。
2024年も活躍が楽しみな新チームは、2月の北信越新人戦に向け動き始めている。
(福井テレビ)