福井県動物愛護センターの保護猫きょうだいに、今話題の名前が付けられた。その名前は「しょうへい」君と「デコピン」ちゃんだ。
民家に捨てられ、しょうへい君は足の炎症がひどく、右前足を切断した。ただその後元気に成長し、今はドジャーブルーの首輪をつけた妹と共に、新しい飼い主を待ち続けている。

「しょうへい君」由来に込めた願い

ぴったり寄り添う2匹のきょうだい猫はともに1歳未満の雑種で、茶トラがオスの「しょうへい」君、白黒模様はメスの「デコピン」ちゃんだ。もちろん日本を代表するメジャーリーガー・大谷翔平選手とその愛犬の名前が由来となっている。

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2匹は、2023年10月下旬に福井・坂井市の民家の敷地内で保護された。発見当時は生後2カ月ほどだったという。しょうへい君は保護時、右前足と右後ろ足にまるで薬品をかけられたような大けがを負っていた。

県動物愛護センター・生水誠一センター長:
足がただれてひどい炎症を起こしていた。色んな治療をしてみたが、どうしても右前足の切断は避けられず、切断という対応をした。

右前足を切断したしょうへい君(右)
右前足を切断したしょうへい君(右)

命を助けるため、しょうへい君の前足は切断されることになった。治療中、しょうへい君は鳴かずに痛みをこらえていたという。

元気に猫じゃらしを追いかけるしょうへい君
元気に猫じゃらしを追いかけるしょうへい君

その姿を見ていたスタッフたちは「なんとか元気に走り回れるようになってほしい」とのエールを込めて、困難を克服してメジャーリーグで活躍を続ける大谷選手の名前をもらうことにした。その願いが通じたのか、今では猫じゃらしを俊敏に追いかけ回れるまでに回復した。

一方、白黒模様のメス猫にはまだ名前がなかった。そんな中、日本時間の12月15日に大谷選手のドジャース入団会見が行われた。そこで愛犬の名前が「デコピン」だということが初めて公表され、その瞬間デコピンちゃんに名前が決まった。

しょうへい君が治療の間、2匹きょうだいは離れ離れだったが、12月中旬にようやく再会した。足を失いながらも懸命に生き抜くしょうへい君を、デコピンちゃんが優しく見守り続けた。今では2匹とも安心した様子で毎日を過ごしている。

県動物愛護センター・生水誠一センター長:
今をときめく大谷選手ですから、それにあやかって、ますます元気になって新たな飼い主さんの下へ旅立ってほしい。

「保護猫の存在を知ってもらいたい」

2022年度、センターに引き取られた犬と猫は合わせて654匹で、そのうち猫が8割以上を占める。野良猫への無責任な餌やりや不妊・去勢手術への無理解などもあり、福井では保護猫が後を絶たない。

県動物愛護センターで保護されている猫たち
県動物愛護センターで保護されている猫たち

センターでは、しょうへい君やデコピンちゃんなどの保護猫の飼い主を募集しているが、持病のある猫たちは新たな行き先が見つかりにくい現状があるという。

県動物愛護センター・生水誠一センター長:
(しょうへいとデコピンの)2匹に限らず、ここにはかなりの数の猫がいる。新しい飼い主の下でより一層幸せになってほしい。

けがと闘うしょうへい君と、いつも隣で支えるデコピンちゃんには、大谷選手のドジャース移籍に合わせて、しょうへい君の首輪は“ドジャーブルー”に付け替えられた。
センターではこの2匹をきっかけに、保護猫の存在を多くの人に知ってもらいたいと話している。

(福井テレビ)

福井テレビ
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