最大震度7が観測された能登半島地震。石川県能登町は、津波によって大きな被害を受けました。

至る所に海岸から流されてきたと思われるものが散乱し、車の通行が困難な状態が続いています。
津波“2m超”か?住宅に残された爪痕
足場もないほどのがれきが広がる中、町を取材すると、住宅に津波の爪痕が残されていました。

被災した住人:
(天井付近に水の)跡があるでしょ、そこまで波が来たってことでしょうね。

――屋根の上のがれきもですか?
そうそう、それも波で押し上げたってこと。
入り口の天井近くに残された水の痕。

能登町には、津波の観測地点がなく、正確な高さは記録されていないといいますが、住宅に残る跡を見ると、2mを超える波が来たことが分かります。

海沿いの家は土台を残し、流されているものも。
取材班はさらに川上へ向かい、自宅が大きな被害を受けたという男性に出会いました。

帰省中に被災した男性:
自宅は2戸あるうち1戸は全部崩れて、台所の方だけ残ってるって形と、もう1戸は1階部分が全部壊れて、2階部分だけ残っているという形になっています。

男性の自宅は、海岸から約170m離れていますが、川から津波が押し寄せてきたといいます。

帰省中に被災した男性:
2度目の地震の時にすぐ(高台に)上ったので大丈夫なんですけど、それが少しでも遅れたら津波にも巻き込まれたっていう。家族もいたので、助かったなっていう感じですね。
「なんも」全てを奪った津波
津波の被害状況を動画で撮影していた女性がいました。動画には、せい惨な被害の様子と、近所に住む女性とのこんな会話が。

撮影者「お疲れ様です」
近所の住民「何か見つかりました?」
撮影者「なんも…、ひどいね」
近所の住民「せめて免許証でもあれば、運転できるけど…」
自宅から何も持ち出せないまま、避難せざるを得なかったという女性。津波が予想以上に早く到達したといいます。
動画には、撮影者の実家も映っていました。

撮影者「ここが私の実家なんですけど、通れなくなっています。奥に実家があります」

家の前には、津波に流されてきた家屋が。 道は“がれき”で塞がれています。

撮影者「ここはキッチンだったんですけど…。お正月にいとこが来てご飯を食べた後の残りが、そのまま残っています」
地震発生から4日目にして、ようやく家に帰ることができたという撮影者。金沢の大学に通う学生で、正月の帰省中でした。
しかし、この先、大学の休みが明けても金沢に帰る手段がないといいます。

帰省中に被災した大学生:
交通手段がないっていう感じです。(金沢に)帰る方法が…なくて。
就活の時期と丸かぶりで、どうしようかという感じですね。金沢帰るにも、このまま帰っていいのかって感じだし。

大きな被害を受けた故郷をこのまま離れていいのかという葛藤。近所に住む女性が津波により命を落とし、後悔の念もあるといいます。

帰省中に被災した大学生:
ラジオ体操行くときに手を振ってくれたおばあちゃんだったので、声をかけられなかったのが悔やまれます。
(めざまし8 1月5日放送)