26日午後3時前、愛知県警中村署に入ったパトカー。

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その後部座席で、頭から白い布をすっぽり被っていたのが、殺人未遂の現行犯で逮捕された自称・曾我春暉(そが・はるき)容疑者(25)。

その3時間あまり前、名古屋駅前の繁華街にあるビルが騒然としていた。入居するカラオケ店の一室から、20代くらいの女性が心肺停止の状態で搬送され、その後死亡。通報したのは、同じ部屋にいたとみられる曾我容疑者だった。

「人を殺してしまった」

さらに曾我容疑者は、自宅とみられるマンションでの“別の事件”についても、こう明かしたのだ。

「同居する女性も風呂場に沈めた」

曾我容疑者が関わったとみられる“2つの事件”。果たして、どうつながっているのだろうか。

「心臓マッサージをしていた」店内にいた客らが証言

“1つ目の事件”の現場は、東海地方随一のターミナル・名古屋駅からわずか200mほどの場所にあるカラオケ店。当時、7階のフロアには他にも複数の客がいた。

FNNの取材に、当時店にいた客は「電話がかかってきて、今通報があって危険な状態なので、外には出ないでください、部屋の中で待機してくださいって言われて。それで警察の人が来て」などと状況を話した。

また「通路がこういう7階で、こっちが階段、ここが階段だったのだが、この辺りで、血が数カ所あるような感じだった」などと、店内の廊下に多数の血痕が残されているのを目にしたと話した。

別の客は「ドリンクだけ取りに行った時に、かなり緊迫した状況の声とかが聞こえた。心臓マッサージしているのは反射で見えた」などと、被害者の女性が救命措置を受けている様子が見えたと話した。

視聴者撮影
視聴者撮影

捜査関係者によると、女性には少なくとも2カ所の刺し傷があり、胸には包丁が刺さったままだったという。女性は、搬送先の病院で死亡が確認された。

被害女性に抵抗されたのか…この時、曾我容疑者自身もケガをして病院に搬送されたが、その後、署に移送された。

現時点で、カラオケ店で刺殺された女性と曾我容疑者の関係は明らかになっていない。

警察の調べに「同居する女性も風呂場に沈めた」

さらに事件の構図を複雑化させているのが、曾我容疑者が関わったとみられる“もう1つの事件”。その現場はカラオケ店から約2キロほど東にある、中区大須のマンション。

ここには、曾我容疑者の自宅があるとみられている。カラオケ店での事件があった後、捜査員はこのマンションの一室から、ブルーシートでくるんだ何かを運び出していた。
警察の話では、部屋にある浴槽の中で30代くらいの女性が死亡していたという。

「同居する女性も風呂場に沈めた」

警察の調べに、こう話しているという曾我容疑者。同じフロアに住む住民は、曾我容疑者とみられる人物が、女性と一緒にいる時の様子をこう話した。

同じフロアの住人:
あの部屋から出てくるすらっとした男の人が、その人は挨拶するんだけど、女の人はいつもあんまり顔見ないです。でも、いつも女の人は替わっている気がするけども

カラオケ店と、自宅とみられるマンションでの2つの「死」。警察は、それぞれの動機や関係性などを詳しく調べている。
(「イット!」12月26日放送より)